ツーリングカーレースが日本で一番熱かった9年間を1冊にまとめた「グループAレースクロニクル1985-1993 JTC9年間の軌跡(モーターマガジン社/2970円)」が好評発売中だ。ここでは、そこからの抜粋をお届けする。
因縁のインターTECは6度目の正直成る!
真夏の筑波の風物詩ともなっていた第4戦の「レース・ド・ニッポン」。この年は5万人を超える大観衆が観戦に集まった。ポールポジションはリーボックスカイライン(長谷見)、2位はカルソニックスカイライン(星野/鈴木)で、ラップタイムはともに58秒台に入った。決勝では序盤でリーボックスカイラインがターボトラブルでリタイアするが、カルソニックが順調に周回を重ね、2位のアートネーチャー・シエラ(寺田陽次郎/赤池卓)に4ラップ差で圧勝。3位はピューミニ トランピオシエラ(清水和夫/松田秀士)が入った。
第5戦「ハイランドグループA300km選手権レース」は9月30日に開催。ここでは清水和夫/影山正彦がシエラからGT-Rにマシンをチェンジ。ウエットレースで4WDのGT-Rの強さが際立ち、ポールポジションはカルソニックスカイライン(星野/鈴木)、2番手にリーボックスカイライン(長谷見/オロフソン)。決勝もこのままの順位でゴール。3位には予選7位から追い上げたスカイライン(清水/影山)が入った。
この年の最終戦となった「インターTEC」は富士スピードウェイで11月11日に開催。観客は8万7500人という当時、富士史上最多を記録。予選ではカルソニックスカイライン(星野/鈴木)がコースレコードでポールポジション。2位もリーボックスカイライン(長谷見/オロフソン)が続く。決勝はこの2台が常にレースをリード。前年の覇者であるフォードシエラRS500を全く寄せ付けず、カルソニック、リーボックの順でゴールインとなった。