EVシフトは踊り場に。さらに力強く普及が進むと予想
記者会見にあたって、壇上に立った本田技研工業株式会社 取締役 代表執行役社長である三部 敏宏氏は冒頭、世界的に広がりつつあるEV懐疑論について「長期的視点で観ればシフトは確実に進むと確信している」と、語りました。
その上で、2020年代前半の「黎明期」から始まり、中盤の「移行期」を経て、後半以降の「EV普及期」に向けてEVの包括的バリューチェーンを構築することを明らかにしています。
核となるのはバッテリーであり、EVの垂直統合型バリューチェーンを構築することで2030年には北米で調達するバッテリーのコストを現行比で20%以上削減を目指す、とのこと。年間約200万台という目標生産キャパシティを賄うための調達体制は、すでに完成していると言います。
こうした取り組みによって、ホンダの電動化(というかフル電動化戦略)は、今後の数年間で一気に加速することになりそうです。2030年の本格的な普及期に向けてホンダは現在、カテゴリーやエリア特化を含めた3つのラインバリエーションを用意しています。
ひとつはグローバルEVである「Honda0(ゼロ)シリーズ」、中国向けのエリア限定型ブランド「e:Nシリーズ」および「ye:イエシリーズ」、そしてニーズのあるエリア向けのボリュームゾーンとして小型EVの展開を拡大させる計画です。
このうちゼロシリーズはセダンモデル「SALOON(サルーン)」が「フラッグシップ」を謳うとおり、比較的プレミアム性の高いラインナップが揃うようです。2026年までの北米での上市を皮切りに、2030年までには全世界で7車種が投入されますが、中型SUV、3列大型SUVなど、クラスの中ではより上級に位置するSUVが豊富に揃います。
中国向けは、2027年までに10モデルを投入、2035年までに全モデルをEV化する大盤振る舞いです。