人の感性に寄り添うソフトウェアデファインドモビリティ
「操る楽しさ」という視点で言えば、ハイブリッドモデルの展開についても道筋が明確にされました。将来的なBEVシフトを見据えての原資的な役割を担いながら、さらなる燃費改善と卓越した走りを高い次元でバランスさせることを目指すと言います。
その技術的コアとなるのは、Honda独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」。進化の方向としては、軽量化と高効率化が進められます。同時にプラットフォームの効率化が追求されることになります。そこには、共用化によるコスト削減も含まれるようです。
注目すべきは、「走りの楽しさ」をわかりやすくグレードアップしてくれる電動4WDシステムの採用でしょう。EV開発のプロセスで開発された高性能電気モーターを用いて、最大駆動力を向上。さらに、駆動力配分制御をより高レスポンス、高精度に熟成させることを目指します。
ホンダらしくここでも、その制御ロジックにはロボット開発を通して磨かれた「モーションマネジメントシステム」が役立てられています。安定した車両挙動と優れた運動性能が協調することで、かつてない痛快な走りが期待できそうです。
もうひとつ、「走る楽しさ」に関する別の一面からのアプローチも、進められます。それは「すべての人に生活の可能性が拡がる喜び」を支えるためのモータリゼーションの成熟。土台となるのは、自動運転やADASの価値が極限まで高められ、深く理解され、ユーザーに受け入れられるための「ソフトウェアデファインドモビリティ」の実現です。
独自のモービルOS開発に加え、AIに関しては「ホンダ独自のカスタマイズ」を実施・・・やがてホンダのクルマたちは、「知性を宿すような進化」を遂げることになります。
見どころ聴きどころが盛りだくさんの「ビジネスアップデート」は、乗車から後車までシームレスな移動やストレスのない自由な移動の悦びなどなど、さまざまな「キャッチフレーズ」が提案されました。その先に待つのは、乗り物としての進化を超えた、これまでにない「感動体験のアップデート」になりそうです。(文:神原 久 Webモーターマガジン編集部)