F1と同様の「ハロ」システムを採用
ピュアスピード コンセプト(以下、ピュアスピード)は、エキサイティングでエネルギッシュ、しかも息を呑むような美しさを兼ね備えたモデルだ。発表場所がF1モナコGPの会場というのも、このクルマに合っている。ルーフはもちろん、フロントウインドーもない完全なオープン2シーターの先進的なスタイリングは、モータースポーツへのオマージュでもある。
メルセデス・ベンツは2022年5月に超高級車ブランド「ミトス(MYTHOS)」を立ち上げると発表したが、このピュアスピードはミトス ブランドの第一弾として限定発売される予定だ。
純粋で妥協のないレーシングカーをインスパイアしたデザイン、革新的な素材や最新の技術が生み出すピュアスピードの限定台数は250台。世界的なメルセデス・ベンツ愛好家やコレクターのみが手に入れることができるだろう。それはつまり、メルセデス・ベンツが再び「量から質」への転換を目指していることの表れでもあり、ピュアスピードはメルセデス・ベンツの「排他性の頂点」を体現している。
ピュアスピードのスタイリングで最も特徴的なのは、従来のクルマのAピラーに代わる「ハロ(HALO)」システムの採用だろう。これはモータースポーツからのフィードバックであり、2018年以降のF1マシンをはじめ、多くのフォーミュラカーに採用されている、ドライバーの頭部保護システムだ。
F1マシンのそれと同様に、ハロはクルマのボディに接続されたブラケットで構成されている。形状は空気力学的にも最適化されており、またピュアスピード専用に設計・製造されたヘルメットも装備されている。インテリアは、色や機器が独特なだけでなく、ダッシュボード上にはIWCシャフハウゼンのアナログ時計が備わり、さらなるハイライトを追加する。