タイヤを温存できていたルクーレルが残り10周でスパート

そしてスタンディングスタートで再開されたレースは、首位のルクレールがフリー走行でのレースシュミレーションより5秒も遅いペースで周回するという予想以上のタイヤマネージメント合戦に。トラブルやドライビングミスがない限りコース上でのオーバーテイクが事実上不可能なモナコでは順位は動きようがなく、終盤まで膠着状態が続く。

画像: レースはスタート直後の赤旗中断で、事実上タイヤ無交換となった。フェルスタッペン、ハミルトンが逆転を狙ってタイヤを交換するも、順位は変わらなかった。

レースはスタート直後の赤旗中断で、事実上タイヤ無交換となった。フェルスタッペン、ハミルトンが逆転を狙ってタイヤを交換するも、順位は変わらなかった。

ようやく52周目にハミルトン、53周目にはフェルスタッペンがハードからミディアムに交換するも状況は変わらず。結局終始スローペースながら先頭を走ってクリーンエアでハードタイヤを温存できていたルクーレルが残り10周でスパートし、ピアストリ、サインツ、ノリスを突き放し、今シーズン初勝利を飾った。

ルクレールの優勝は2022年のオーストラリア以来となる自身6勝目。モナコ出身ドライバーのモナコGP優勝は1931年のルイ・シロン以来、1950年に開始されたF1世界選手権戦としてのモナコでは初の地元ドライバーの優勝となった。

フィニッシュ後のルクレールは「ここまで僕を支えてくれた父親に感謝したい。小さい頃からふたりでこのコースをF1で走って勝つことを夢見てきた。今の感情を言葉で言い表すことはできないよ」と喜びを噛み締めた。表彰式では感極まったモナコ公国のアルベール太公が、シャンペンシャワーに参加するという異例のシーンもあった。

これでルクレールはドライバーズランキングトップのフェルスタッペンとの差を31点差に縮め、フェラーリはコンストラクターズ首位のレッドブルとの差を24点にまで縮めている。

次戦第9戦カナダGPは、モントリオール郊外のジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台に、6月7日に開幕、決勝レースは6月9日に開催される。(文:新村いつき)

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