高低差の大きい起伏に富んだコースレイアウト
オーストラリアGPの舞台となるのは、オーストリアのシュタイアーマルク州の緑あふれるのどかな丘の中にあるレッドブルリンク。起伏に富んだ高低差の大きいコースで、かつてはエステルライヒリンク、A1リンクなどと呼ばれたが、コース改修に伴い、レッドブルリンクという名称となった。その名称からもわかるように、レッドブルのホームコースとなる。
![画像: 高低差が大きいことがよくわかるカット。1コーナーに向けて上り、さらに3コーナーに向けて一気に駆け上がる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2024/06/25/1e93ab7e954b082d872d25bb1aebe828b7af2995.jpg)
高低差が大きいことがよくわかるカット。1コーナーに向けて上り、さらに3コーナーに向けて一気に駆け上がる。
このサーキットはシリーズの中でもユニークな特徴を持っている。まず全長は4318mと短く(モナコ、インテルラゴスに次いで3番目に短い)、コーナー数が10とシリーズの中で最も少なく、ラップタイムは1分ちょっとと最も速く、最高地点と最低地点の標高差は63.5mとスパ・フランコルシャンに次ぐシリーズ2番目の大きさとなっている。
コースは標高の高い場所にあるため酸素濃度が低い上に、F1マシンはターン2・5・8をエンジン全開で駆け抜けるため、エアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる。また、エンジンにとってはパワーが出しにくく全開率が高くなるためトラブルが多く、マシンにとって過酷なサーキットと言われる。
タイヤ戦略は摩耗や劣化が比較的低小さいため理論上は1ストップも可能なはずだが、気温が高くなるとタイヤの熱管理が難しくなる傾向があり、2ストップが勝利戦略となることが多い。
![画像: レッドブルリンクのコース図。最大のオーバーテイクポイントは上り坂のストレートからのブレーキング勝負となる3コーナー。また、森の中を駆け抜けた後の9コーナー、逆バンク気味の最終コーナーもトリッキーで、オーバーテイクがしばしば見られる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2024/06/25/3f1aceb45684ad4300b756221853d5dae6d0d2fa.jpg)
レッドブルリンクのコース図。最大のオーバーテイクポイントは上り坂のストレートからのブレーキング勝負となる3コーナー。また、森の中を駆け抜けた後の9コーナー、逆バンク気味の最終コーナーもトリッキーで、オーバーテイクがしばしば見られる。