しっかりしたブレーキのタッチが好感度アップ
こちらはNAのカスタムG Lパッケージ。実燃費向上を狙ったセッティングで、街乗り使用が中心ならこちらでも十分だろう。
さらにプラスでは、重量アップやヘビーな使い方に対応するために、足まわり系が強化されている。Nボックスでもターボ車にはスタビライザーが装着されていたが、今回はNA車を含めて全車にスタビライザーを装着。挙動の安定感、しっかり感が増している。とはいえ、ある程度人や荷物を乗せることを考えた上でのセッティングになっているようで、取材時はひとりで乗るより3人乗車の方が、乗り心地や挙動的にも落ち着いていた。ただし、1780mmと背が高いので、コーナーを攻めるような走りを期待してはいけない。ロールはそれなりに大げさだ。それでもコントロール性に優れたブレーキのおかげで、Nボックスよりに安定感が高まった。
またブレーキは、ゴーストップが頻繁に続く街乗りでも扱いやすい。いわゆる「カックン」ブレーキではなく、しっかりと踏み込みに合わせて減速してくれる。ホンダの軽らしく視界の良さも抜群で、Aピラーまわりの視界の工夫や、合わせ鏡を使って左前や左横、真後ろを映し出す〝ピタ駐ミラー〞などで死角をできるだけ減らしている。
14万円という価格差で手に入るNAモデルでも街乗りでの印象は良かったから、日常使用には十分。なにしろこちらは燃費がいい。さほどエコドライブを意識しなくても燃費が良くなるように、パワーマネージメントは実燃費の向上を狙ったセッティング。アイドリングストップ機構も、よく作動する。再始動がスムーズで扱いやすく、軽自動車としては重く、空力的にもハンデがありそうなシルエットだが、JC08モード燃費はNAで21.2km／L、ターボは19.4km／Lを達成している。
ただし、人や荷物を搭載すると、発進時には明らかに力不足を感じる。アクセルをついつい踏みすぎて、結果、燃費も落ちがちだ。CVTの静粛性もやや気になるので、そういうシチュエーションが多いならオススメはトルクに余裕のあるターボだろう。
インパネの形状もNボックスと共通だが、加飾やドアトリムがボディと同色になるなど差別化されている。
ホンダ Nボックス+ Gターボパッケージ 主要諸元＜カッコ内はカスタムG Lパッケージ＞
●全長×全幅×全高：3395×1475×1780mm
●ホイールベース：2520mm
●車両重量：1010kg＜1000．
●エンジン：直3 DOHC+ターボ＜直3 DOHC＞
●総排気量：658cc
●最高出力：47kW（64ps）／6000rpm＜43（58）／7300＞
●最大トルク：104Nm（10.6㎏m）／2600rpm＜65（6.6）／3500＞
●トランスミッション：CVT（ターボはマニュアルモード付き）
●駆動方式：横置きFF
●燃料・タンク容量：レギュラー・35L
●JC08モード燃費：19.4km／L＜21.2km／L＞
●タイヤサイズ：155／65R14
●当時の車両価格（税込）：159万円＜165万円＞
