この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第82回目は、ラグジュアリー路線でファン層を拡大した、日産 ブルーバードU・HT2000GT-Xの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

ロングノーズにストレート6を収めたラグジュアリーカー

大ヒットを飛ばした510型ブルーバードに代わる、昭和40年代後半のファミリーカーとして登場したのが、昭和46(1971)年8月に610の型式を与えられて誕生したブルーバードUシリーズだ。

画像: GT系のボディは1800に比べてホイールベースを150mm、オーバーハングを55mm延長して全体で205mm長くなった。よくまとまったフォルムでかっこいい。

GT系のボディは1800に比べてホイールベースを150mm、オーバーハングを55mm延長して全体で205mm長くなった。よくまとまったフォルムでかっこいい。

510ブルーバードのひとクラス上を行くラグジュアリー志向のミドルサイズサルーンとなり、曲面基調の伸びやかなスタイルとサイドウインドウのJラインを売り物にした。

ボディタイプは4ドアセダンと2ドアHTを揃えていた。エンジンは510と同じ4気筒SOHCのL型だ。1.6LのL16型と1.8LのL18E型が用意され、1.8ℓのSSS-Eには電子制御燃料噴射装置のEGIを装着した仕様(125ps/16.0kgm)が積まれていた。

そして昭和48(1978)年8月、シリーズの頂点に立つL20型6気筒SOHC搭載車が追加された。これがスカイライン2000GTのブルーバード版として開発された、ブルーバードU2000GTだ。長大なL20型エンジンを収めるため、ホイールベースを150mm、全長は205mmストレッチし、ロングノーズを強調している。二分割の迫力あるバーティカルマスクが、スタイリングの大きなポイントだ。

2000GTに積まれる1998 ccのL 20型シングルキャブ仕様は、115ps/5600rpmの性能を発生した。そしてトップグレードの2000GT-XはSUツインキャブ装着で、125ps/6000rpm、 17.0kgm/4400rpmを発生。5速MTを介して最高速180km/hを誇った。

画像: 昭和48(1973)年8月、ブルーバードシリーズの頂点に立つU2000GTにL20型6気筒SOHC搭載車が追加された。スカイライン2000GTのブルーバード版とも言える。

昭和48(1973)年8月、ブルーバードシリーズの頂点に立つU2000GTにL20型6気筒SOHC搭載車が追加された。スカイライン2000GTのブルーバード版とも言える。

足回りは名車510ゆずりのストラット/セミトレーリングアームの4輪独立懸架だったが、フロントヘビーのため、アンダーステアが強い傾向があった。豪華仕様となるとともに、やや牙を失ったために人気を失う結果となった。

日産 ブルーバードU・HT2000GT-X(KG610型)諸元

●全長×全幅×全高:4420×1615×1380mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1150kg
●エンジン型式・種類:L20型・直4SOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:125ps/6000rpm
●最大トルク:17.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.45S-14-4PR
●新車価格:102万8500円

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