奇抜なデザインは好みが分かれそう?インテリアは実にシンプル
実際に対面してみると、かなり特徴的なフロントマスクに目が向きます。日本人のデザイナーが考案したというこの奇抜なデザインですが、これを採用したのにはキチンとした理由がありました。
スズキによると、このフロントマスクは「クルマが溢れる街中でも埋没することの無い、ユニークで個性を主張するデザイン」と謳っています。すなわち、多くのライバルがいるコンパクトSUVセグメントにおいてはとくに、存在感を示すためのアイキャッチなデザインが必要だったと言います。
やや好みが分かれそうな気もしますが、ひと目でフロンクスと認識できる点やLEDの灯火類によって、目新しさはバツグンです。素直にカッコいいと思えるものでした。
続いてインテリアは、新型スイフトにも似た最新世代のスズキデザインが採用されています。ブラックとボルドー(濃紅色)の2色が組み合わされたインテリアは、存在感のある金属フレームとともに、力強い印象を与えてくれます。
残念ながらインパネ周りにおけるソフトパッドの採用は認められず、オール樹脂パーツで構成されています。が、配色や加飾パーツを巧みに組み合わせることによって安普請な雰囲気はまったくありません。
シートは好印象なかけごこちで、お尻をやや沈みこませながら張り出しのあるサイドサポートで上半身をしっかりと固定してくれます。またドライビングポジションは取りやすく、テレスコピック&チルトのハンドル調整は可動域が大きいため、スイフトと同様、非常に「走り」への気合いを感じさせる仕上がりでした。
まず4WDから試乗スタート。これが想像以上の完成度だった
さて、今回はクローズドコースにて、プロトタイプに先行試乗する機会を得ました。1周約5kmのワインディングコースを3周したほか、コース途中に設置されたパイロンスラロームなどで低速域のハンドリングをチェックしました。
まず試乗したのは4WDモデルです。FFと比べてパワースペック自体に変わりはなく、1.5L直4エンジンとマイルドハイブリッド機構を組み合わせています。さらにトランスミッションは最近では珍しい6速ATが採用されています。いったいどんな走りを魅せてくれるのでしょうか。
走り出して最初のコーナーに入るためにハンドルをすーっと操舵したときに、まずはハンドルのどっしり感を感じました。簡潔に言えば、ハンドルは想像よりも重たく、スイフトのそれに比べると明らかにどっしりとした印象です。
そのあと登坂のためにアクセルペダルを踏み増すと、「クォーン」というやや籠った音を聞かせながら気持ちよく自然に加速してくれました。またその際、6速ATのシフトアップがなんとも心地よかったことが印象的でした。やはりワインディングを走るときは、加速の上昇に伴ってシフトアップする感覚が運転する楽しさをいっそう強めてくれます。これはCVTを採用する多くのライバル勢と比べて、ドライビングプレジャーに対する高いアドバンテージがありました。