第4世代となるMINIシリーズの本道は、フルバッテリーEVとしてのモデル展開にあります。今回はそのハイスペック版であるMINI クーパーSE 3ドアに初試乗。高速道路と一般道を中心に、日常的な使い方での魅力をチェックしてみました。走りとともにインターフェイスやエンターテインメントなど全域でのデジタライズには、確かにこれまでにない刺激が満ち溢れているように思えます。(写真:佐藤正巳)

リニアかつトルクフルな電気モーターの力を使いこなせる

新型MINI Cooper SE 3ドアは、最高出力160kW(215ps)、最大トルク330Nmを発揮する電気モーターで、前輪を駆動します。ガソリン仕様のクーパーSに対して、最高出力で10kW、トルクで30Nmのアドバンテージが与えられました。

画像: サラウンド・ビュー機能を備えたパーキング・アシストや、ペダル踏み間違い急発進抑制機能、最大50mのルートを正確になぞりながら自動的にバックしてくれるリバース・アシスト機能といった、運転に慣れていない人にも安心の最新運転支援システムが多彩に採用されている。

サラウンド・ビュー機能を備えたパーキング・アシストや、ペダル踏み間違い急発進抑制機能、最大50mのルートを正確になぞりながら自動的にバックしてくれるリバース・アシスト機能といった、運転に慣れていない人にも安心の最新運転支援システムが多彩に採用されている。

車両重量は1640kgとICE版よりも300kg以上重くなっていますが、0→100km/h加速はわずかに6.7秒。普通の感覚で「遅い」わけがありません。先に試乗していたICE版クーパーSでも、そのシームレスなエンジンフィーリングに感心させられましたが、BEV版の方はさらにアクセルワークに対する反応がシャープでダイレクトです。

結果、高出力なBEVとしてそれなりにアクセルの踏み込み具合には気を使うことになります。もっとも、そのあたりはさすがにMINI。スポーティな前輪駆動を制するツボとコツをしっかり踏まえた上での、「ほどよい刺激」を楽しむことができました。ちなみに試乗車はミシュランのe-プライマシーを履いていました。

乗り味については、MINIらしさをほどよく残しながらも、新しい世代の快適性にも配慮したセッティングと言えるでしょう。

画像: ヘッドアップディスプレイも、解像度が高くて視認性は良好。ルート案内も表示されるので、運転のしやすさにもつながる。

ヘッドアップディスプレイも、解像度が高くて視認性は良好。ルート案内も表示されるので、運転のしやすさにもつながる。

ボディ床下に配されたリチウム・イオン・バッテリーの容量は136.0Ah/54.2kWh、専用プラットフォームの採用と合わせて、ICE以上の重心の低さが機敏かつ安定した挙動につながっていることで、電気モーターのリニアリティをしっかり生かすことのできるドライバビリティを実現しています。

あえて贅沢を言うなら、ブレーキの回生力をパドルなどで何段階か制御できるといいかもしれません。

路面の状態によってはややヒョコヒョコとした落ち着きのなさを感じさせるシーンもありましたが、そのあたりは重いバッテリーを積んだBEVの宿命と考えれば納得のいく塩梅ではないかと思います。

気になる価格は、ICEのクーパーS比で見ると価格に上乗せされるのは68万円。CEV補助金(2024年度は最大85万円)だけでも実質逆転する計算であることを考えれば十分に、次期愛車としての選択肢になりうるはずです。操作系のイマドキ感も含めて、「MINI」の新たな地平はぜひ、デジタルネイティブな世代に試してみてもらいたいですね。

MINI Cooper SE 3 Door 主要諸元

●全長:3860mm
●全幅:1755mm
●全高:1460mm
●ホイールベース:2525mm
●パワーユニット:モーター
●最高出力:160kW
●最大トルク:330Nm
●バッテリー容量:136.0Ah/54.2kWh
●一充電走行距離:402km
●価格:531万円

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