レーシングスペックの技術で内燃機関を素養から磨く
ランボルギーニ テメラリオは、レヴエルトに続くハイパフォーマンス電動車(HPEV)シリーズの第二弾。車格としては、「ウラカン」の後継モデルに当たります。
ウラカンは2014年に正式発表して以来、ペルフォルマンテ、EVO、STO、テクニカ、ステラート、STJとその世界観を拡げながらスパイダー、RWDといった豊富なバリエーション展開を背景に、およそ10年で2万5000台以上を売りまくってブランドの歴史に残る人気モデルとなりました。
思うに「かなり重い」そのバトンを受けとったテメラリオですが、最大の進化は伝統のV10から独創のV8ハイブリッドユニットにスイッチしたことでしょう。
ミッドに搭載される4L V8ツインターボは、量産車として初めて毎分最大1万回転まで回すことを許されました(最高出力は9000~9750rpmで発生)。ウルスに搭載される4L V8とは異なる新開発ユニットで、ボアストロークは90×78.5mmのショートストローク仕様(従来型は86.0×86.0mmのスクエア)、圧縮比9.3(同9.7)となっています。
180度の角度を持つフラットプレーンクランクシャフト、DLC(Diamond Like Carbon)で覆われた堅牢で信頼性の高いフィンガーフォロワー式ロッカーアーム、チタン製コンロッドなど、レーシングスペックのテクノロジーが惜しみなく盛り込まれました。
このエンジンとデュアルクラッチトランスミッションとの間に配置された電気モーターには、シフト時のトルク変動を抑制する「ギャップフィラー」としての役割が与えられています。低回転域から優れたレスポンスを最大300Nmの太いトルクでアシスト、強力なトルクを高回転域までシームレスに生み出すことを可能にしました。
ちなみにこのコンパクトな電気モーターはスターターモーター、ジェネレーターとしての機能も兼ね備えています。
一方でフロントアクスルに配されたふたつの電気モーターも同様にブレーキ回生を行いつつ、より「最適かつ強力な駆動力」を担っています。
フロントモーターにも小型軽量で(1個当たりの重量はわずか15.5kg)、高出力化に最適なアキシャル型を採用しています。こちらはそれぞれ110kWの最高出力もさることながら、トータルで最大トルク2150Nmもの最大トルクを発生するというから、驚きです。