ダイレクト感を増して、ますます「爽快！」に
今回はクローズドコースの試乗で、従来モデルと比較もできた。
フロントマスクはグリル、バンパーともに形状が変わってより精悍に。
さっそくシビックRSで走り出すと、すぐに違いを感じた。RSはエンジン本体に手が加えられていないが、アクセルペダルに対しての反応、エンジン回転の上昇や落ちる速度が違う。元々シフトフィールに定評があった６速MTも、シフトノブの形状や重量の見直しなどでよりダイレクト感も増しているから、シフトチェンジが楽しくて仕方ない。
現行シビックは「爽快シビック」と謳うぐらい気持ちいい走りが特徴。元々足まわりも引き締まっていた印象があったが、RSでは今まで以上にロール感も少なく、ハンドルを切ってクルマがスッと向きを変えてくれるのが印象的。
オーバースピードでコーナーへ進入してもリアは破綻しないし、接地感が高いので安心してコーナリングを楽しむことができそうだ。
内装はブラックを基調に赤いアクセントが入る。
エンジンに手を加えることなく、ハンドル、アクセル、ブレーキペダル、シフトノブと手足で触れるところの操作感にこだわったシビックRS。サーキットを主戦場にトコトン速さを追求したタイプRも良いが、ストリートでの操る楽しさを追求したRSも確実に多くのファンの心を掴むだろう。
最後に、RSの追加とともにシビックの改良が行われることもお伝えしよう。その内容はGoogle搭載やホンダセンシングの進化など多岐に及ぶが、２グレードになったe:HEVモデルにも注目したい（右上）。
e:HEV（写真はe:HEV EX）にも、同様のフェイスリフトが施された。写真のシーベッドブルー・パールは新色だ。
こちらにはサンルーフやグレー内装が設定されたのだが、この雰囲気90年代のシビックを思い出すのは私だけだろうか。
いずれにしても、この改良でシビック選びはより悩ましく、そして楽しくなることは間違いない。（文：中村圭吾（本誌）／写真：永元秀和）
ホンダ シビックRS 主要諸元
●全長×全幅×全高：4560×1800×1410mm
●ホイールベース：2735mm
●車両重量：1350kg
●エンジン：：直4DOHCターボ
●総排気量：1496cc
●最高出力：134kW（182ps）／6000rpm
●最大トルク：240Nm（24.5kgm）／1700-4500rpm
●トランスミッション：6速MT
●駆動方式：FF
●車両価格（税込）：419万8700円
