スーパーカー＝ミッドシップの図式を確立
フェラーリ 365GT／4 BB（1973-1976年）「性能限界を突破するための挑戦」
●主要諸元 フェラーリ 365GT／4 BB：全長✕全幅✕全高=4360✕1800✕1120mm、ホイールベース=2500mm、車両重量=1160kg、エンジン種類=120度V12DOHC，総排気量=4390cc、最高出力=380ps／7200rpm、最大トルク=44.0kgm／3900rpm
同じくイタリアの名門フェラーリは、それまでの365GTB／4「デイトナ」まで採用されたFRのシャシにハンドリングの限界を感じていた。そこで次世代のフェラーリとして開発されたのが、V型12気筒搭載フェラーリとしては初の市販ミッドシップ車となる365GT／4 BBだ。
365は1気筒あたりの排気量（cc）、4はカムシャフトの数、BBはベルリネッタ（2ドアクーペ）、ボクサー（180度12気筒）の頭文字となる。
1971年のトリノモーターショーでワールドプレミアされ、1973年に生産が開始された。
注目のエンジンは排気量4390ccで、水平対向12気筒（フェラーリは180度V12と呼ぶ）を採用。これに計4基のウエーバーキャブレターを装着して最高出力は380ps。最高速度は302kmを公称していた。
マセラティ ボーラ（1971-1978）「ジウジアーロのデザインでミウラを猛追」
●主要諸元 マセラティ ボーラ：全長✕全幅✕全高=4335✕1768✕1134mm、ホイールベース=2600mm、車両重量=1400kg、エンジン種類=90度V8DOHC、総排気量=4719cc、最高出力=310ps／6000rpm、最大トルク=47.0kgm／4200rpm
イタリアの老舗、マセラティもスーパーカーメーカーとして外せない存在。マセラティ ボーラは、そんなマセラティが初めて制作した市販ミッドシップカーだ。
ちなみにボーラとは、アルプス山脈からアドリア海へと吹き下ろす風に由来する。
発表は1971年のジュネーブ モーターショー。エレガントなスタイリングは、イタルデザインを立ち上げて間もないジョルジェット・ジウジアーロが担当した。
設計は実績のあるスポーツカーメーカーだけあり、手堅い作りだった。モノコックにサブフレームを組み合わせ、その上にエンジン、駆動系などを搭載。V8DOHCエンジンは中回転域重視の4.7L。ウエーバーキャブレーターを4基装着して最高出力310ps、最高速度は260km／hを謳った。
