「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、テスラ ロードスターだ。

加速は強烈だけれどバランスに優れている

画像: エンジン音のないオープンエアモータリングは、EVロードスターでなければ味わえない独特の感覚だ。

エンジン音のないオープンエアモータリングは、EVロードスターでなければ味わえない独特の感覚だ。

加速感も特有のもの。音と振動が極めて低く、トルクフルゆえにギアは1速のみなので前後Gの変動が少ない。EVの乗り味はモーターの特性ももちろんあるが、バッテリーによる影響の方が大きい。例えば普通の自動車用バッテリーでEVを製作すると、発進からドカンと勢いよく飛び出すようなフィーリングとなる。これはスターターモーターを回す用途にあった特性だから。そのかわり速度が伸びてくると頭打ちになっていく。

18650型は細く長く力を出すタイプなので特性的にはドッカンではないが、直列に99個、並列に69個並べて搭載しているので、それなりに加速重視になっているようだ。実際の乗り味は、強烈な加速だがスムーズで速度の伸び感もいいというバランスに優れたもの。エレクトロニクス システムの制御も初期からだんだんと進化しており、いまでは熟成の域に達している。

EVの走行性能の素晴らしさを伝えてくれたテスラ ロードスターだが、そろそろ生産終了が近づいているという。次に控えるセダンのモデルSへバトンタッチするためのようで、そちらも楽しみではあるが、スポーツカーが消えてしまうのは寂しい限りだ。

だが、心配は無用。今よりもリーズナブルなスポーツカーの構想も用意されており着々と進行中だとか。実現はモデルSの成功にかかっているだろうが、今のテスラ モーターズの勢いならいけるはずだ。

画像: カーボンを多用したスパルタンなインパネ。ステアリングはノンパワー。センターコンソールのボタンで前進/後退をセレクト。エアコンもよく効く。

カーボンを多用したスパルタンなインパネ。ステアリングはノンパワー。センターコンソールのボタンで前進/後退をセレクト。エアコンもよく効く。

テスラ ロードスター スポーツ2.5 主要諸元

●全長×全幅×全高:39415×1851×1127mm
●ホイールベース:2351mm
●車両重量:1280kg
●モーター最高出力:215kW
●モーター最大トルク:400Nm
●トランスミッション:無段変速機
●駆動方式:RWD
●一充電航続距離:394km
●最高速度:201km/h
●0→97km/h加速:3.7秒
●タイヤサイズ:前175/55R16、後225/45R17
●当時の車両価格(税込):1481万5500円

This article is a sponsored article by
''.