「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ボルボ V40だ。

その走りっぷりは、かなりスポーティだった

画像: リアビューのイメージはV60などと似ている。硬めの足とレスポンスのいいターボエンジンが好印象。

リアビューのイメージはV60などと似ている。硬めの足とレスポンスのいいターボエンジンが好印象。

こうした新装備を持って発表されたのがボルボV40だ。今年(編集部註:2012年)のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアされ、6月末にイタリアのベローナ周辺で国際試乗会が行われた。

V40のポジションはV60の弟分といったところ。現行ではV50がラインアップされるが、それに代わりV60とC30の間を埋める。よって、ハッチバックスタイルではあるが、スポーツワゴンのようにもクーペのようにも見える、かなり「攻め」のデザインだ。フロントピラーの角度はラインアップ中いちばん寝かされている。

試乗車のエンジンは現行V60にも積まれる1.6のL直4ターボで、最高出力は180ps。グレード名はT4と呼ばれる。説明によると、V40はエンジン出力の違いでT3/T4/T5に分けられるらしい。

では走りはというと、こいつはかなりスポーティ。XC60以降の新世代ボルボは硬めの乗り心地と軽快なフットワーク、そしてアクセルレスポンスのいいターボエンジンがウリ。その中においてコンパクトなV40は、さらにそれを色濃くしたといった印象だ。特に試乗車は18インチタイヤのスポーツシャシを採用していたので、それを強く感じた。今もボルボにスポーティなイメージを持てない人には、ぜひ乗ってもらいたい1台だ。

また安全装備でいえば、シティセーフティもヒューマンセーフティもバージョンアップした。歩行者用エアバッグともども、この分野のトップランナーとしての意地を見せた。

画像: 中央にタコメーターを配した新デザインのインパネ。ボルボ伝統のセンタースタックは継承されている。

中央にタコメーターを配した新デザインのインパネ。ボルボ伝統のセンタースタックは継承されている。

ボルボ V40 T4 SE(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4370×1785×1440mm
●ホイールベース:2645mm
●車両重量:1430kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1596cc
●最高出力:132kW(180ps)/5700rpm
●最大トルク:240Nm(24.5㎏m)/1600-5000rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・62L
●JC08モード燃費:16.2km/L
●タイヤサイズ:225/45R17
●当時の車両価格(税込):309万円

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