フェラーリは2024年10月17日、799台限定の新型スーパーカー「F80」を発表しました。を発表し、GTO、F40、LaFerrariなどとともに、跳ね馬のバッジをあしらった伝説的なスーパーカーの歴史に新たな章を書き記すことになります。

コンパクトなキャビンに2シーターを配置。トランクスペースも確保

エクステリアデザインを担当したのは、フラヴィオ・マンゾーニが率いるフェラーリ・スタイリング・センターのチームです。テーマは「フェラーリデザインの過去と未来を結びつけるもの」。歴代フェラーリのDNAを再解釈するとともに、F1マシンの美しさに着目するなど、そのデザイン要素は多岐に渡ります。

画像: ラフェラーリと同様にバタフライドアを採用。ドアの構造部は、側面衝突時に衝撃を吸収するエレメントとしての構造が与えられている。素材は、特殊なハイパフォーマンス・カーボン・ファイバー製。

ラフェラーリと同様にバタフライドアを採用。ドアの構造部は、側面衝突時に衝撃を吸収するエレメントとしての構造が与えられている。素材は、特殊なハイパフォーマンス・カーボン・ファイバー製。

バタフライドアは、ほぼ90度の角度まで開きます。コンパクトなキャビンは、シングルシーターのレーシングカーをインスパイアするもの。シートはドライバー中心の左右非対称レイアウト(パッセンジャーシートをやや後方にオフセット)で、独特のシングルシーター感を演出しています。主役はあくまでドライバー、ということで、フェラーリはこれを「1+」と名付けています。

このアレンジは主に、前影投影面積を削減するためにキャビン(とくに幅)を抑えることを目的としています。結果、居住空間の幅は狭められましたが、人間工学的な使いやすさや快適性は損なわれていません。

画像: 操作パネルは、人間工学に基づいてドライバー側にわずかにオフセットしている。ドライバー側だけ見ていると、やはりF1ライクなコクーン感覚が強く感じられる。

操作パネルは、人間工学に基づいてドライバー側にわずかにオフセットしている。ドライバー側だけ見ていると、やはりF1ライクなコクーン感覚が強く感じられる。

コクピットデザインで注目したいのはステアリングホイールでしょう。上下のリムをフラット化するとともにステアリングボスを縮小。視界を遮ることなくスポーティな感覚を強調しています。物理的なボタンの復活も、使いやすさにつながる進化と言えそうです。

加えてフェラーリのスーパーカーとしては初めて、シートの背後に一泊分程度のスーツケースが入るスペース(35L)が確保されました。

日常性能、という意味では、各種先進運転支援システム(ADAS)も標準装備。ストップ&ゴー機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロール、自動緊急ブレーキ、レーン・ディパーチャー・ウォーニング、レーン・キープアシスト、自動ハイビームなど、上級乗用車に匹敵する充実ぶりです。

なお動的パフォーマンスは最高速度350km/h、加速性能が0→100km/h:2.15秒・0→200km/h:5.75秒と公表されています。

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