さまざまな「アクティブ」がもたらす万能のダイナミクス性能
公道走行可能な車にはない究極のエアロダイナミクスソリューション、ドライバーがサーキットでマシンのパフォーマンスを最大限に引き出すために最適化された新しいアクティブサスペンションなど、アーキテクチャのあらゆる側面がパフォーマンスを最大化するように考えられています。
F80ではエアロダイナミクスが重要な役割を果たしています。アクティブリアウイング、リアディフューザー、フラットアンダーボディ、フロントトライプレーンウイング、Sダクトなどのソリューションが連携して、250km/hで1050kgのダウンフォースを発生させます。
フロントエンドなど、デザインのそこかしこには499Pの空力コンセプトが受け継がれています。とくにアクティブウイングは、機能はもちろんビジュアル的にももっとも特徴的なパーツと言えるでしょう。内蔵されたアクチュエーターシステムが、高さはもちろん仰角もリアルタイムでダイナミックに制御します。
一連のエアロダイナミクスの効果は、アクティブサスペンションのおかげでさらに向上します。四輪独立サスペンションはダブルウィッシュボーンレイアウトに、インボード式のアクティブダンパーを備えます。
それぞれのサスペンションは48Vモーターによって制御され、サーキットにおけるフラットな乗り味と安定した空力性能につながるライドハイトを実現しながら、公道ではしなやかな追従性とほどよい最低地上高のゆとりを維持することを可能にしました。
トラクションコントロールなど、車載のすべてのダイナミクス制御システムの性能を向上させる「SSC9.0(サイドスリップコントロール)」の進化にも要注目です。デジタルツインによって車両の挙動をバーチャルに検証、高精度かつ高速でのデータフィードバックをもたらしてくれます。
モータースポーツから派生したCCM-R Plus技術は、ブレンボとのコラボレーションで開発されたもの。長時間の高負荷にもへこたれることなく優れた冷却性能を維持、同時にほかのどんな公道用カーボン・セラミックス製システムを凌ぐ、耐摩耗性をもたらしました。
ちなみにF80のシャシーは、部位ごとに最適化されたマルチマテリアル。アルミニウム製サブフレーム、カーボンファイバー製コンポジット、チタン製ネジなど、軽量化も徹底されています。