この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第109回目は、ターボパワーをいかんなく見せつけた、日産ブルーバードSSSターボの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

ターボで若者の心を掴み、輝きを取り戻した9代目ブル

昭和54(1979)年の1月に、6世代目・910型へとフルモデルチェンジしたブルーバードに、新たにターボモデルが設定されたのは翌年3月のことであった。

画像: 追加設定されたSSSターボのリアには、セミトレ+コイルの独立式サスが与えられた。

追加設定されたSSSターボのリアには、セミトレ+コイルの独立式サスが与えられた。

910型ブルーバードは、当時、人気絶頂の歌手・ジュリーこと沢田研二をイメージキャラクターに採用。ジュリーはTV、雑誌、カタログとありとあらゆるメディアに登場し、ブルーバードの大ヒットに一役買った。

注目は、リアにセミトレ+コイルの独立式サスを与えられたスポーティシリーズのSSS系に追加設定されたSSSターボ。すでにセドリック/グロリアの両車にターボモデルを設定していた日産ではあったが、このブルーバードSSSターボはそれに続く第2弾。デビュー直後からモータースポーツシーンへの導入が大きく期待され、レースやラリーでも多く見られた。

搭載されたエンジンは、Z18ET型・1770ccの直列4気筒SOHC。電子制御式燃料噴射との組み合わせにより、最高出力は135ps/6000rpm、最大トルクは20.0kgm/3600rpmという高性能を達成していた。

ミッションは5速MTのみ。ブレーキは4輪ディスクで、ハードな走りにも十分対応できるようサスのセッティングも、ターボ用にアレンジし直されている。

ボディは4ドアセダンと2ドアハードトップを設定(1982年に4ドアハードトップが追加)したが、若いユーザーからはハードトップの評価が絶大だった。

画像: ターボの装着は最高出力の向上と同時に、排出ガスの清浄化や燃費の向上、さらには騒音の低減までをも同時に図る策でもあった。

ターボの装着は最高出力の向上と同時に、排出ガスの清浄化や燃費の向上、さらには騒音の低減までをも同時に図る策でもあった。

往年の名車、510型ブルーバードを彷彿とさせる端正なフォルムと高性能な走り。それを両立したSSSターボの成功が、その後の高性能サルーンモデルを生む原動力となったことは疑う余地はないだろう。

日産ブルーバードSSSターボ(P9106型)諸元

●全長×全幅×全高:4510×1655×1385mm
●ホイールベース:2525mm
●車両重量:1100kg
●エンジン型式・種類:Z18ET・直4SOHCターボ
●排気量:1770cc
●最高出力:135ps/6000rpm
●最大トルク:20.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70SR14
●新車価格:150万1000円

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