ロードサイドアシスタンスやヒョンデ Qちゃんで高まるサービス品質
デザイン性の良さと並んで、韓国の参加者の多くが挙げていたヒョンデの魅力が、ディーラーで受けられる修理やメンテナンスが完了するまでの期間の短さだ。これは自動車整備の仕事をしているという韓国のオーナーからも聞いた話で、「韓国国内で生産された部品を短期間で調達できるため、たとえエンジンを降ろして修理するような重整備作業でも1週間以内に完了できるようになります」と、整備性の良さを理由に挙げていた。
ダイレクト販売を主軸にする日本市場では、あまり関連しないと思うかもしれないが、韓国流のおもてなし作法は日本市場にも引き継がれている。車両がトラブルや故障により走行できなくなった場合、ヒョンデ ロードサイドアシスタンスに連絡すると状況や症状に合わせて応急処置やレッカー移動などのサービスを出張費無料(新車登録日から5年間、もしくは走行距離10万kmまでの車両)で行ってくれる。
また、ヒョンデの日本法人Hyundai Mobility Japanは、アイオニック 5をサービスカーとして改造したモバイルサービスカー(通称:ヒョンデ Qちゃん)」を2台導入。ユーザーからの問い合わせを受けると、出張費無料で専門テクニシャンがヒョンデ Qちゃんで指定場所へ向かい、部品交換やソフトウェアアップデートなど軽整備作業であればその場で実施できるようにした車両(※)だ。整備にまつわるタイムロスを軽減し、より快適なカーライフをサポートするという。
※すべてのケースでヒョンデ Qちゃんが出動するわけではありません。また、その場での修理対応ができない可能性もあります。

トラブルの現場へ駆けつけて出張サービスを実施できるように改造されたヒョンデ Qちゃん、写真はその2号機。

2024年5月から稼働を開始したヒョンデ Qちゃん 2号機は、1号機での経験をもとにして、現場に特化した実践的な工具を搭載。

ヒョンデ Qちゃんは修理や整備でディーラーへの入庫を必要としない、新しいアフターサービスの在り方を提案する車両でもある。

ヒョンデ Qちゃん 2号機は機動力を高めるために、リフトアップやオフロード用タイヤを採用するモデル。
ヒョンデ ロードサイドアシスタンスをすでに受けたことがあるという日本人のオーナーは「2022年からアイオニック 5に乗っています。外出先でクルマの調子が悪くなったとき、ロードサイドアシスタンスに連絡するとピックアップに来てくれました。しかも修理が終わったあとは届けてくれました。メーカー主導による年中無休のサービスを受けられるのは大きな安心感になります」とサポート体制に満足している様子だった。
しかも今後は対応エリアを全国へと拡大、またヒョンデ Qちゃんからユーザー車両に給電できるV2V(Vehicle to Vehicle)機能を新たに搭載する計画もあり、サービスの充実度はさらに高まっていく。
オーナー同士によるコミュニケーションの場を増やしたい
そして本記事シリーズ第2回でも紹介した、ファンサービスの豊富さも大きな魅力だ。とくに韓国内で近年そうした活動も強化しているようで「高性能ブランドの“N”が始まってからファン同士のコミュニケーションが増えているように感じます。昔からファンサービスはありましたが、いまは一般ユーザーをどんどん巻き込むように裾野を拡大しています。オーナーズクラブをいくつも集めて、クラブ同士のコミュニケーションをヒョンデがサポートしてくれています。今後も楽しみなイベントのひとつです」と韓国での盛り上がりを語ってくれた。
一方で、ヒョンデが主催する日本国内での韓国と日本のオーナーが集まったファンミーティングは今回の「韓日ヒョンデ オーナー交流会」がはじめて。ヒョンデの価値観を共有するユーザーの輪を広げていきたいとした上で、Hyundai Mobility Japan マーケティングコミュニケーションチーム長の佐藤修二氏は「今回に引き続き、第2回、第3回と韓日ヒョンデ オーナー交流会を開催したいと思っています。皆さまからいただいたアイデア、たとえば交流会限定Tシャツの制作や記念品の企画をするなどさらに楽しめるものに育てていきたいです」と、ヒョンデの本社と同様にファンサービスを拡張していくと語った。

「韓日ヒョンデ オーナー交流会を、毎年開催する定期イベントにしたい」と語るHyundai Mobility Japanの佐藤修二氏(右)。
もちろんヒョンデファンはオーナーだけとは限らない。2024年11月に開催されたWRC(ラリージャパン)での活躍、全日本EV-GP第5戦で総合優勝を飾り、また富士スピードウェイのオフィシャルカーにアイオニック 5 Nが採用されるなど、日本のモータースポーツを舞台にヒョンデの存在感は確実に大きくなり、これと同時にファン層の拡大も果たしている。モータースポーツを組み合わせた展開も含めて、今後のファンサービスに期待したい。
さて、本記事シリーズも次の第4回が最終回。ヒョンデ カスタマーエクスペリエンスセンター横浜とパシフィコ横浜で開催された「韓日ヒョンデ オーナー交流会」の模様をお届けしよう。
韓日ヒョンデオーナー交流会の記事一覧
【第1回】ヒョンデが世界第3位の自動車メーカーである理由は「クルマの良さ」だけではない。韓日ヒョンデオーナー交流会で感じたヒョンデの強さ
【第2回】ヒョンデのオーナーズクラブが国境を越えたクルマ文化の交流。世界中でファン層が拡大中
【第3回】韓日のオーナーが教えてくれたヒョンデのクルマ、ブランドとしての魅力、そして日本で拡張していくサービス展開とは
【最終回】総勢46名による韓日ヒョンデオーナー交流会。直接会うからこそできる、クルマ文化交流は今後も続くファンサービスに