バランスのとれたレイアウトで、意外とオーバーテイクは難しい
アブダビGPは2009年から開催されて今年で16回目を迎えるが、舞台となるヤスマリーナ・サーキットは2021年にオーバーテイクがしやすいようにコースレイアウトが改良され、全長2581m(従来は全長5554m)となり、1.2kmのバックストレートと連続する90度コーナー、低速コーナーが配された、バランスのとれたレイアウトとなった。

ヤスマリーナ・サーキットはピットロードが特徴的で、ピットを離れた後、コースの地下をくぐり抜けてから本線に合流する形となる。狭いトンネルは滑りやすく注意が必要で、またピットレーンの距離が長くなるため、タイヤ交換のためのロスタイムが通常よりも長くかかる。
アップダウンはほとんどなく、長いストレートがあるものの意外とオーバーテイクが難しく、スタートグリッドを決める予選が重要となる。第1と第2セクターは高速サーキットという性格だが、第3セクターはリズミカルな中低速コーナーが多く、マシンセッティングをどちらにあわせるか悩ましい。
また、路面は砂漠から飛来する砂で滑りやすいのが特徴だが、決勝レースが日没前の夕刻にスタートし、その後、照明の下での完全な夜間走行となるトワイライトレースとして開催されるのも大きなポイントなる。降雨の確率は低いが、夕刻17時にスタートし夜間に向けて気温が低下するため、タイヤのマネージメントが難しい。

アブダビGPが行われるヤスマリーナ・サーキットのコース図。2021年に行われたコース改修により、かつてよりオーバーテイクが見られるようになったが、オーバーテイクは簡単ではない。コース幅が広くエスケープゾーンも多いため、セーフティカー導入は少ない。
昨年はフェルスタッペンが隙を見せることなく快勝
昨年2023年のアブダビGPは最終戦として行われ、すでにドライバーチャンピオンを決めていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、ポールポジションから最後まで隙を見せることなくシーズン19勝目をあげた。

昨年のアブダビGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションから快勝、シーズン19勝を達成し歴史的なシーズンを締めくくった。
フェルスタッペンは22戦19勝、レッドブルは22戦21勝とわずか1敗だけという信じられない記録でシーズンを終えることとなった。
コンストラクターズ選手権はメルセデスが2位を死守、フェラーリは3位、アルファタウリは8位となった。

昨年のアブダビGPでのタイヤ戦略。2ストップが勝利戦略となったが、角田は1ストップで8位に入賞している。
【参考】2023年F1第23戦最終戦アブダビGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 58周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+17.993s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス)+20.328s
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+21.453s
5位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+24.284s
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス) +31.487s
7位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス )+39.512s
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+43.088s
9位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +44.424s
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+55.532s
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11位 3 D.リカルド(アルファタウリ・ホンダRBPT) +56.229s
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)