本国でひと足先にデビューした新型1シリーズとX3。その両車で興味深いのは、これまでグレード名の末尾にガソリン車であると表すために使われていた「 i 」が消えたこと。そんな両モデルを試乗して感じたBMWの“イマ”とは?(文:渡辺敏史/写真:BMW AG  MotorMagazine2024年11月号より)

粘り強いエンジン特性は、日常遣いにも最適

日本におけるBMWのトップセラーといえば不動の3シリーズだ。そして、それを追うのが3つのモデル、X3、X1、1シリーズという構成になる。

画像: M135 xDriveは、10.25インチのメーター、10.7インチのセンターディスプレイがつながったカーブドディスプレイを採用した新デザインのインテリア。一方でドアハンドルなど数多くの部分を先代と共用する。

M135 xDriveは、10.25インチのメーター、10.7インチのセンターディスプレイがつながったカーブドディスプレイを採用した新デザインのインテリア。一方でドアハンドルなど数多くの部分を先代と共用する。

そのなかでも新型1シリーズは、一見するとビッグマイナーチェンジのようにも見えるが、BMWとしては完全刷新の四代目という位置づけになるという。型式もF70と完全に別コードとされている。主力市場には欧州と並んで日本も挙げられており、販売への期待値は高い。

先代となるF40系とは寸法関係こそ大差はないものの、前後アクスルの刷新を始めとするサスペンション骨格の変更やパワートレーンの大半を48VのMHEV化するなど、改善内容は多岐に及ぶ。

インテリアに目を向けると、2枚のカーブドディスプレイにOS9.0対応の電子プラットフォームが採用されるなど、インフォテインメント回りのアップデートも抜かりはない。全幅は先代と変わらず1800mmに抑えられており、日本の狭い道路環境において、使い勝手も上々だ。

画像: 120は、日本でも最量販モデルになると予想されるもっともベーシックな仕様。これまでの118iではなく120とされたのは、MHEV化によってさらにパワーが増強されたからだ。

120は、日本でも最量販モデルになると予想されるもっともベーシックな仕様。これまでの118iではなく120とされたのは、MHEV化によってさらにパワーが増強されたからだ。

今回、M135と並んで試乗したのは日本でのベースモデルとなるだろう120だ。先代の118iから名称が改められたのは、アウトプットの向上が所以だ。すなわち、1.5L直3ターボユニットはMHEV化され、ピーク時には170ps/280Nmのアウトプットを発する。モーターのアシストは低回転域においてはっきりと体感することができ、1500rpm以下でも高いギアで粘り強く駆動力を紡ぎ出していく。ベースモデルであってもデイリーカー的な動力性能としては十分だ。

足まわりは試乗車がMスポーツ 仕様であり、それに準拠したものだったが、角がしっかり丸められた快適なライドフィール、そして相変わらずのハイゲインながらもロールを過度に規制せず、大負荷の手前からも旋回姿勢をきちんとドライバーに伝えていく足のきれいな動き、そういったところに進化の跡が看て取れる。そしてこれは、後述するX3にも共通した感触だった。

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