それは10年ほど前のこと。「スタイルも走りも気に入った!」のに買わなかったごくごく普通の国産コンパクトカーがありました。スーパーカーでも希少車でもないけれど、ささやかな残念無念にリベンジすべく中古車を購入、改めて愛車として付き合ってみたらこれがなかなか・・・「ちょいふる」なクルマと過ごす「ジョイフル」な物語、「はじめます」の「第0章」みたいなお話です。

欧州の最新鋭を抑えて日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得

正確な日付は定かではなく。おそらくは2014年の夏の気配が近づき始めた頃ではないかと。マツダ新世代コンパクトのプロトタイプ試乗会に参加しました。会場は確か、伊豆のサイクルスポーツセンター・・・間違ってたらごめんなさいですが、ともかく非常に印象深いクルマの1台となったのは、「マツダ デミオ(DJ系)」です。

画像: 予約販売の開始は2014年9月11日から。およそ1カ月後の10月26日時点で、累計受注台数は1万9233台を記録していた。リリースによれば、2014年11月には、2014年度のグッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)を獲得している。さまざまな意味で高い評価を受けていたことは確かだ。

予約販売の開始は2014年9月11日から。およそ1カ月後の10月26日時点で、累計受注台数は1万9233台を記録していた。リリースによれば、2014年11月には、2014年度のグッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)を獲得している。さまざまな意味で高い評価を受けていたことは確かだ。

画像1: 10年前に一目ぼれしたディーゼルコンパクトを今さら愛車にしてみたら、ただ懐かしいだけじゃなかった【旧車系新企画「ちょいふるジョイフル」はじめます② スタッフブログ特別編】

稀代の小排気量クリーンディーゼルを搭載

SKYACTIV-D 1.5は、少しばかりガラガラ音は聴こえてくるものの耳障りではない。というと不思議かもしれないけれど、基本的には雑味の成分が少なめで、回転が上がっても苦し気なところがまったくない。燃焼系の理想を追求するこだわりとともに、アイドリングストップ技術「i-stop」(アイ・ストップ)、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」(アイ・イーループ)とのコンビネーションも見事。モータースポーツシーンで採用されているバイオディーゼル燃料に対応してくれると、さらに面白いのだけれど・・・。最高出力105ps、最大トルク250Nmと、必要十二分な速さを実感させてくれる。

発表・発売開始は同年7月17日。実際にはその1か月ほど前、まずは搭載される新世代1.5L ディーゼルターボエンジン(SKYACTIV-D1.5)が先行して発表されています。デミオ自体、技術面でのアピールが半端ではない「フルスカイアクティブテクノロジー搭載モデル第4弾」だったものの、ことさらこの小排気量ディーゼルの新規投入には、度肝を抜かれた記憶があります。

なにしろ乗用ディーゼルと言えば、2001年の規制以来、日本国内ではほぼオワコンと化していた技術。しかもRVとかオフ四駆でも商業バンでもなく、ファミリー向けのコンパクトモデルに搭載されたのですから。

しかもその4代目デミオがまた、シンプルにカッコ良かった。もともと軽自動車をはじめとする「小さなクルマ好き」にとって、小柄なのにチープ感が皆無な魂動デザインはある意味「理想の形」でした。

いろいろ感動したのは私だけではなかったようで、デミオはこの年、日本カー・オブ・ザ・イヤー」のイヤーカーに選ばれています。メルセデス・ベンツCクラスとかBMW i3など、知名度でも先進性でも認められていたライバルたちを抑えての受賞には、大きな価値があると言っていいでしょう。

ちなみに「DJ系」は2019年に「マツダ2」へと車名を変更、さまざまな改良を受けながら現代まで販売されています。つまりは、しっかり惚れ込んでいたわりにずーっと見過ごしてきたということになります。この10年、他のエコカーに浮気しておりました。

ともあれ、デミオは私の物欲メモリーの片隅に「いつかは乗ってみたい1台」としてしっかり「記録」された由。2015年モデルを今さらながらに愛車として所有してみることになったのも、なにかのご縁でしょうか。

ちょうど先日、2023年に大幅改良を受けたマツダ2 ディーゼルターボ車(MT)に試乗するチャンスもあったことですし、ほとんど10年分の進化も含めて「リアルオーナーインプレッション」をお届けいたしましょう。

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