モータースポーツ参戦を通して次世代技術開発を推進
今回のトークショーには、スバルからSUBARU Team SDA Engineering本井雅人代表、航空宇宙カンパニー基盤技術部の関根尚之氏、マツダからMAZDA SPIRIT RACING前田育男代表、ブランド体験推進本部の上杉康範氏が参加したが、「テストコースで開発試験を行うのと、ライバルと競い合って走行するのとは全然違う」「(勝ち負けを重視しているわけではないが)ドライバーやエンジニアも、ライバルに負けるとやはり悔しい」「レースの意義は大きい」とお互いに語り合っていたのが印象的だった。
また参加型レースらしく、どちらのメーカーもレースの現場に、社内のエンジニアやディーラーのメカニック、社員ドライバーを送り込んでいるが、「フリー走行、予選、決勝とレーススケジュールを追うごとに彼らの表情が変わり、どんどん成長していくのが感じられる」とメーカーとしてレースに参加する意味を説明する。
スバルとマツダはスーパー耐久シリーズ参戦を通して、互いに高めあいながら、カーボンニュートラルカーボンニュートラル燃料の環境対応と高性能化への可能性、サスティナブルな社会の実現に取り組んでいるのだ。
そんな中で、トークショーのひとつのテーマとなったのが、やはり高品質な航空機用カーボンの端材を利用した再生カーボンのこと。スバルの航空機製造の際に発生してしまう端材を利用した再生カーボンをマツダでも使うことになったきっかけは、「ワイガヤクラブ」での会話の中で、「カーボン材料ありますけど使えませんか?」「それ使っていいですか?」と話が進んだのだという。
スバルはカーボンリサイクル素材をリアウイングとして利用するとともに、デザイン面でもスバルの航空宇宙開発部門のエアロダイナミクス技術を取り入れている。その一方でマツダはスバルから無償でカーボン素材の提供を受けながら独自にデザインを行うほか、ほかの部分での使用の可能性を探っている。スバルが単独で開発するのではなく、独自の技術とノウハウを持つマツダも開発に参加することで、急速に開発が進み、新しい発見もあるのではと期待されるところだ。
なお、今回の合同特別展示の最終日となる1月19日には、スバルのドライバーである井口卓人選手と山口英輝選手、マツダのドライバーである井尻薫選手を迎えて、ドライバーズトークショーも行われる。
●SUBARU×MAZDA スーパー耐久シリーズ参戦車両合同展示
期 間:2025年1月14日(火)~1月19日(日)10:00〜18:00
場 所:SUBARU恵比寿ショールーム「スバルスタースクエア」
(東京都渋谷区恵比寿1−20−8 エビススバルビル)
展示車両:【SUBARU】 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept
【SUBARU】 HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT
【MAZDA】 MAZDA3 Bio concept
再生カーボンに関する技術展示もあわせて行われる。
入場料:無料