「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マツダ デミオEVだ。

マツダ デミオEV(2012年:車種追加)

画像: ボディサイドやボンネットの派手なデカールはデモ用。左前フェンダー上の充電ポート以外、エンジン車と外観はほとんど変わらない。

ボディサイドやボンネットの派手なデカールはデモ用。左前フェンダー上の充電ポート以外、エンジン車と外観はほとんど変わらない。

日産、三菱に続き、トヨタ、ホンダ、マツダからも今夏(編集部註:2012年)に続々と電気自動車(EV)が市場投入され、EVも戦国時代へ突入した。まずは先日開催されたマツダ デミオEVのプレス試乗会で、その完成度をチェックした。

デミオEVを発表したマツダは、じつは1970年頃からEVの開発を始めていて、これまで約70台のEVを自治体などに納めた実績がある。デミオ以前でもっとも新しいのが、1999年に横浜のズーラシアに納めたボンゴ EVとのことで、10年以上の間があいたことになるが、その間に水素ロータリーのHVや燃料電池車など、技術的に近いものの開発を進めていた。そして、これまでのEVはすべてワンオフ製作だったが、デミオEVは量産ラインを使って生産した初めての国産EVとなる。

開発にあたっては、あくまでマツダらしいEVを目指したとのことで、いくつかの技術的な特徴がある。まず、独自の巻線切り替え式モーターの採用。モーターというのは線をたくさん巻くとトルクが出るが、回転すると逆起電力が発生し、電気が流れにくくなる。そこで速度が上がった時にはあまり巻いていない状態と同じになるように制御し、電気を流れやすくすることで高回転化を実現したという。

さらにバッテリーにはテスラ ロードスターでも話題になったパナソニックの18650というモデルを選択。その理由は、エネルギー密度の高さ。コンパクトなバッテリーをフロアや後席下に敷き詰めた。よって室内やラゲッジスペースはベース車と変わりなく、また車両重量はベース車の190kg増と、EVとしてはかなり軽量に仕上がっている。これらにより「Zoom-Zoom」な走りを追求している。

画像: マツダ独自の巻線切り替え式モーターを採用し、最高出力75kWと最大トルク150Nmを発生。一充電の航続距離は200kmだ。

マツダ独自の巻線切り替え式モーターを採用し、最高出力75kWと最大トルク150Nmを発生。一充電の航続距離は200kmだ。

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