厳重なセキュリティを経て、いよいよご実車と対面
東京からほぼ丸一日かけて、イタリアのバーリ空港へ降り立った。そこから約2時間バスに揺られてホテルへ移動。さらに試乗の舞台はそこから1時間・・・ナルドテクニカルセンターである。PHEVになったスーパーSUV、ウルスSEローンチの場だ。
ナルドサーキットとも呼ばれるここは、近年ではポルシェの新型車をテストする場所としても有名だが、その円形コースは最高速や耐久テストの場としてもお馴染み。過去には300km/hどころか、コンセプトカーやチューニングカーが400km/h超えを記録したこともある。詳しい内容は知らされていなかったので、まさかここで最高速を?などと考えていたが、待ち受けていたのは厳重なセキュリティだった。発表前の新型車もテストしているので当然だが、スマホやカメラは没収される。
そしてランボルギーニのエキスパートからイベントの説明を受ける。その後セーフティライセンステストを受けて無事合格すれば、晴れてコース内で試乗ができる、というものだった。
ウルスSEに乗れるまでの道のりはとても長い。その分、ウルスに対しての期待も、気持ちも高まっていたが、取材班を待っていたのは、まず公道試乗からだった。
それにしても・・・イタリアの地であらためて見たウルスは、ランボルギーニが「史上もっとも美しいウルス」と謳うように、優美でスポーティなスタイリングだと実感した。
舞台はイタリア南部。日本に比べて路面の舗装状態も悪く、道幅も狭い。ウルスSEの初乗りにはなかなか厳しめな条件である。
カラフルなウルスが並ぶ中、用意されたマットグリーンのウルスに乗り込んだ。GOが出てすぐ、特徴的なスタートスイッチを押してみるが、従来のウルスのようにけたたましいサウンドは聞こえてこない。駆動用バッテリー残量も満タンのストラーダモードではエンジンは掛からないようだ。
そのままパドルシフトを弾いてDレンジに入れて走り出す。エンジンは掛かる様子がない。ナルド周辺の90km/h区間でも無音のままだ。135km/hまでEV走行が可能だというから、日本では駆動用バッテリーの電力がある限り高速道路でもEV状態のみで走行することもできるだろう。