ツインエントリーセラミックターボを装着しパワーアップ
細かい部分では、ボディ表面の段差およびボディパネル間のすきまを極力小さくしたボディ形状とすることにより、洗練された美しい外観を追求している。これらの部分は風切り音の低減にも貢献している。全体的には先代に比べるとやや腰高感があるものの、ボリューム感が増してファッショナブルであるとともに独特の迫力を醸し出している。
装着タイヤはダンロップ フォーミュラD40M2。サイズは205/60R14が採用され、ハイパワーを路面に伝え、スポーティな走行を可能とした。
エクステリアと同様にリファインされたのがエンジンだ。2L直4DOHC16バルブ＋ターボで型式こそ3S-GTEと変わらないものの、中身はかなり違う。まずターボがツインエントリーセラミックターボ
となった。これはタービンホイールのレスポンス向上を狙ったもの。さらにインタークーラーを従来の水冷式から大容量の空冷式とした。
これによってボンネット上にエアインテークが設けられたことも、迫力を増した一因となっている。その他細部の変更により、最高出力は225ps／6000rpm、最大トルクは31.0kgｍ／3200rpmまで向上している。200psを大きく超えるパワーはセリカGT-FOURの大きな魅力となった。
225psを発生するパワーユニットからの排気は、ツインエントリーのエキゾーストマニホールドを経て、2本出しのテールパイプから排出される。
向上したパワーを受けとめるサスペンションは4輪ストラットで先代と同じだが、ジオメトリーなどを小変更した。さらに駆動系では、センターデフにビスカスカップリング式LSDを加えた基本構造こそ同一だが、リアデフに入力に応じて左右の駆動トルクを最適に配分するトルセンLSDを採用している。
サイドビューを見ると、その曲面で構成されたグラマラスなスタイリングがわかる。先代もそうだが、さらに4WDの土臭さが消し去られた。
ボディシェルに関しても改善された。骨格結合部の重点補強や高張力鋼板を効果的に採用することにより、剛性をアップしながらも軽量なユニット構造を作り上げた。いずれにしても、ST185セリカGT-FOURは先代ST165のネガを消した正常進化版として人気を得ていくことになった。
ST85セリカGT-FOUR主要諸元（1989年9月時点）
●全長×全幅×全高：4420×1690×1305mm
●ホイールベース：2525mm
●車両重量：1400kg
●エンジン：直4 DOHC＋インタークーラーターボ
●排気量：1998cc
●最高出力：225ps／6000rpm（ネット）
●最大トルク：31.0kgm／3200rpm（ネット）
●トランスミッション：5速MT
●駆動方式：4WD
●10モード燃費：9.8km／L
●車両価格（当時）：268.5万円
