記録への挑戦をとおして革新を検証する「走る実験室」
「ルノー フィランテ レコード 2025」は、新しい技術、材料、革新をテストするための「走る実験室」として誕生した。
ごく一般的な87 kWh のバッテリーを搭載し、空力効率を考慮した流線型デザイン 、1000kg という軽量ボディ、ステアバイワイヤ、ブレーキバイワイヤ技術、独自の摩擦低減タイヤなど最先端の技術を投入することで、これらが電力消費や航続距離にどのように貢献していくことができるかを検証していく。
フィランテ レコード 2025は単なるコンセプトカーではなく、モータースポーツや記録への挑戦をとおして革新を検証し、それらを量産モデルに投入してきた、ルノーならではのデモカーなのだった。
その開発における主な目標は、エネルギー効率と航続距離を最大化するために、車両を軽量化すること、最高レベルの空力性能を達成することだった。この目的のため、超軽量素材と高度な製造技術の革新的な組み合わせを採用し、必要な堅牢性を維持しながら重量を削減するための技術が盛り込まれている。
また、空力エンジニアは周辺の空気の流れを最適化することを目指し、全長 5.12 m、全高 1.19m(全幅は1.71m)という戦闘機を思い起こさせるパッケージとし、車両のスタイルに貢献すると同時に空力性能に大きな役割を果たすホイールフェアリングを採用した。
動く彫刻として設計。時代を超えた優雅さを纏う
ステアバイワイヤ、ブレーキバイワイヤ技術もこのモデルにとって重要なアイテムで、ドライバーがハンドル(操縦桿)を回すと、システムは中央の ECU に電気信号を送信し、前輪だけでなく、エンジン、ブレーキ、サスペンションなどの他のコンポーネントと連携して、車を最も適切に動かす方法を決定。
ブレーキを作動させると、電気信号がブレーキ システムに送られ、ホイールにかかる力が最適な効果になるように分散されるなど、プラットフォーム全体を機能させる。
デザインを担当したサンディープ・バンブラ氏は「私たちはこの車を動く彫刻として設計しました。航空機やスピード記録に挑戦してきた車両にインスピレーションを得て、パフォーマンスと時代を超えた優雅さの両方を反映しています。表面の隅々まで光を捉え、空気に溶け込むようなボディラインを際立たせるように作られています。青い窓と色彩の配色は、軽快で風通しの良い印象をさらに強調しています」
「インテリア デザインにも外装と同じアプローチを採用し、細部に至るまでパフォーマンス、快適性、効率性を最大限に高めるように設計されています。各コンポーネントはドライバーの手の届く位置にあり、人間工学と軽量化を重視した設計になっています。たとえば、ドライバーのシートは、ハンモックのようなテキスタイルのストレッチ キャンバスで作られており、軽量設計で最適なサポートを実現しています」とコメントしている。