世界のGT4参戦ドライバーが頼りにするレーシングマシン
純粋なクラブレーシングとプロのカスタマーレーシングの間の橋渡しとして、ポルシェ「718ケイマンGT4 RSクラブレーシング」の存在はワールドワイドで際立っている。2024年には550以上のレースに出場し、総合優勝19回、クラス優勝80回を達成し、11回のチャンピオンシップタイトル獲得はただものではない。
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GT4カテゴリーをワールドワイドで席巻する「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」。
ポルシェ モータースポーツ ノース アメリカ (PMNA) のCEOフォルカー ホルツマイヤーが、「モータースポーツは今もそしてこれからも、ポルシェのブランド アイデンティティの中核。718ケイマンGT4 RSクラブスポーツはそれを証明している」と語る。
そして、2025年もその勢いは衰えを見せず、米・デイトナで開催された 2025 年 IMSA ミシュラン パイロット チャレンジ シーズン開幕戦を、1位との差はわずか0.364秒の2 位でフィニッシュ。惜しくも優勝は逃したものの、まずまずのシーズンスタートと言えるだろう。
「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」は、911 (ジェネレーション 992) をベースにした競技モデルと並んで、ポルシェのカスタマー レーシング プログラムの基本と位置付けられる。
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世界のGT4ドライバーが頼りにする「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」。
2022年シーズンのデビュー以来、米国以外ではドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、タイの国内 GT4 シリーズ チャンピオンが「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」を頼りにしている。ドイツで権威ある ADAC GT4ドイツ シリーズ2024のすべてのタイトルを奪取がいい例だ。2025 年には6 つのポルシェ スポーツ カップ専用の GT4 シリーズも登場する。
量産ベースのレーシングマシンとして天然繊維複合素材を初採用
これまでケイマン ベースのGT4は1500台以上造られてきたが、現在活躍する「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」は、現行の 911GT3 カップから派生した 368kW (500ps) 4Lフラット 6 エンジンをミッドシップに搭載する。
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ミッドシップに4Lフラット 6 エンジン(500ps/465Nm)を搭載。前モデルに比べ、パワーバンドがより広くなり、使い勝手がグッとアップしたという。
このエンジンは、前モデルの 3.8 Lより800rpm 高い8300 rpm で最大出力を発生(ピークは9000rpm)。トルクも6600 rpm で 425 Nm から 6000 rpm で 465 Nm にアップしている。これにより、パワーバンドがより広くなり、使いやすさが向上したという。
双方向調整可能なダンパーや前後の調整可能なアンチロールバー、高性能レーシングブレーキシステム、強化された空力が、そのポテンシャルを存分に引き出してくれるというわけだ。
環境へのこだわりも「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」の特長だ。天然繊維複合材 (NFC) がボディコンポーネンツをはじめ、フロントフード、フェンダー、フロントエアロ、ドア、リアウイング、ステアリングにまで使われている。もちろん軽量化の意味もある。
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環境への配慮を忘れず、天然繊維複合材 をボディコンポーネンツをはじめ、フロントフード、フェンダー、フロントエアロ、ドア、リアウイング、ステアリングホイール採用。
ちなみに、第一世代の「718ケイマン GT4 RSクラブスポーツ」は、ボディコンポーネントに4Lフラット 6 エンジンを使った最初の量産ベースのレーシングマシンだ。