モーターマガジン誌で好評連載の最新BEV長期レポート。2024年4月から6月まではアウディe-tron GT クワトロをテストした。全3回に渡ってお届けする。今回はその2。日常的に乗っている中で見えてきた、魅力をかいつまんでご紹介しよう。

実用性も備えた美しいフォルム

その美しいスタイルからe‒トロン GTは、2ドアクーペのような雰囲気を持ち、ふだんから乗っていてもリアドアの存在を忘れてしまうほどだ。それでいてリアシートもしっかりと使えるのが魅力である。ラゲッジルームも高さこそ低いが容量はしっかり確保しているので、たとえば取材などで使うカメラバッグ、脚立、三脚、レフ板、掃除用具などの撮影機材をしっかりと収めることができる。さらにフロントにも収納スペースが用意されるので使い勝手はとてもいい

画像: 実用的なリアラゲッジルーム。後席は分割可倒するのでさらなる容量アップも。

実用的なリアラゲッジルーム。後席は分割可倒するのでさらなる容量アップも。

好みのドライブフィールが選択可能なアウディドライブセレクトは、エフィシェンシー/コンフォート/ダイナミック/インデビジュアルの4種類がある。インディビジュアルではドライブシステム(エフィシェンシー/バランス/ダイナミック)、サスペンション(コンフォータブル/ダイナミック)、サウンドプロファイル(クワイエット/バランス/ダイナミック)をそれぞれ個別で設定することが可能となっている。

筆者の場合、ドライブシステムはダイナミック、サスペンションはコンフォータブル、サウンドプロファイルはクワイエットを選んでいる。ダイナミックであってもゴツゴツとした不快な乗り心地を伝
えてくる訳ではないが、一番気に入っているのはやはりコンフォートなのである。

装着タイヤはピレリ チントゥラート P7BULUEELECTという電気自動車やPHEV専用に開発されたもので、フロント245/45R20108Y、リア285/40R20 108Yと大きなサイズと低い扁平率だが、それでも低速域であっても不満どころかとても満足できるライドフィールが味わえる。

画像: タイヤサイズはフロント245/45R20108Y、リア285/40R20 108Y。

タイヤサイズはフロント245/45R20108Y、リア285/40R20 108Y。

航続距離を延ばす効率的なエネルギー制御

ステアリングパドルで回生の強さを変えられるのもいい。ICEのエンジンブレーキのような使い方ができるので、スポーティな走りを楽しむこともできる。このあたりの装備はさすがBEVスポーツカーと言えるものである。また最大0.3Gまでは電気モーターで減速し、エネルギーを回収し、航続距離の伸長に貢献している。

スタイルはとてもカッコイイ。毎日見ているが、その度に美しいデザインにうっとりする。日本デビューは2021年だが、古さをまったく感じないのである。この e‒トロン GTのデザインは何年経ってもあせないものだろう。さらにCd値も0.24と空力性能も高い。これは電費にも好影響を与えている。

これまで2000kmほど乗ったが、平均電費は4.6~5.4km/kWhあたり。累計の電費計が1km/kWh刻みなので詳細は不明だが、スタートからの電費をみると通常は4〜5km/kWhあたりを前後する。なので平均電費は4km /kWh半ばあたりではないだろうか。SOC80%ぐらいまでの充電が多く、満充電まですることは稀だが、その時に表示される航続距離は314kmと表示される。

画像: フロント左側の急速充電口は150kWの高出力充電に対応する。

フロント左側の急速充電口は150kWの高出力充電に対応する。

画像: フロント右にはAC200V普通充電口を備える。

フロント右にはAC200V普通充電口を備える。

さて、実際の充電状況だが、e‒トロン GTは、150kWの高出力充電を車両が受け入れることができるので長距離移動前やSOCが20%を切ったときなどにアウディ/ポルシェ/フォルクスワーゲンが組んだPCA(プレミアムチャージング アライアンス)か、東京 紀尾井町にできたアウディチャージングハブの高出力充電スタンドや、パワーXのハイパーチャージャーを使うことが多い。

これらの充電スタンドはどこも会社から5km圏内にあるので、SOC10 %を切っても不安にならず充電できる。またどちらも屋根があり、梅雨の時期でも濡れることなく充電できるというメリットがある。これでふだん使用する電力はほぼカバーされるので、AC(普通)充電はほとんどしなかった。

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