ハイブリッドパワートレーンの展開が中心か
3008と同時期に来日していたしていたプジョーのリンダ・ジャクソンCEO(取材当時)は、こうした内外装デザインによる個性化はプジョーらしさを表現する重要なファクターであり、世界中のプジョーユーザーが重要視するポイントでもあることを公言していた。そして、デザインを重視する傾向は日本市場にもあてはまる・・・というよりも「さらに顕著」なんだそう。
近年、「似通ったデザインのクルマが増えてきた」という声も聞こえてくるなかで、猫科の動物のようにしなやかさと個性を携えた3008の心に響くデザインは、日本市場でも成功する大きな要素になると言えるかもしれない。

一般的なSUVとは一線を画すファストバックSUVのスタイリングはスタイリッシュで、走る楽しさをも予感させる。
従来から「パワーオブチョイス」を謳い、ひとつの車種にガソリン車やディーゼル車、PHEVやEVまでさまざまなパワートレーンを用意してユーザーが必要とするものを選択できるようにするスタンスをとり続けてきたプジョー。多くの選択肢を用意する「パワーオブチョイス」の方針に変わりはないが、この3008以降は電動化モデルを中心にしたラインナップにするという。
プジョーは実は欧州でEVを12モデルラインナップする「もっとも多くのEVを揃えるブランド」。また「電動化モデル中心」と聞くと真っ先にEVを思い浮かべるが、日本市場でもEVを推していくのかといえばそうでもないようだ。
もちろんカーボンニュートラルの観点からいえばEVを推進したいところだろうが、次の段階にステップアップした「パワーオブチョイス」では、国と地域のニーズによりマッチした電動化モデルを重点的に投入するように最適化するとしている。
具体的に日本市場へ導入されるパワートレーンは公表されていないが、ハイブリッド車(HEV)の人気が依然としてダントツに高いことはすでに調査結果として現れており、これを反映したHEVラインナップの充実化が図られるという。
新型3008のHEVは、欧州市場でふたつの新型電動パワートレーンが採用されている。1.6Lターボ+モーター+7速DCTのPHEV(システム総合:143kW/195ps・350Nm)と、1.2ターボ+モーター+6速DCTの48V MHEV(同100kW/136ps・230Nm)で、おそらく日本市場にも導入されるはずだ。果たして主力モデルとなるのはどちらのパワートレーンなのか、はたまた最大97kWhという大容量バッテリーを搭載して700km以上の走行可能距離を実現したEVに注目が集まるのか。欧州で大きな販売台数を築いたファストバックSUV「3008」の今後に期待したい。