「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ジャガー XJシリーズだ。
ジャガー XJ2.0(2012年:マイナーチェンジ)

2013年モデルとはいえ、外観では従来モデルと大きく変わるところはない。ロングホイールベースモデルも設定される予定だ。
ジャガーのフラッグシップ サルーン、XJシリーズが2013年モデルから大きく変わる。もっとも注目すべき点は、直4の2Lターボを搭載することだろう。いよいよジャガーもダウンサイジングを始めた。この後には4WDも控えているというから、しばらくはジャガーにも注目してみたい。まずは本国イギリスで行われた国際試乗会のレポートからお届けしよう。
ジャガーが2012年秋にリリースする、いわゆる2013年モデル。そこではまず、フラッグシップ サルーンであるXJシリーズのパワートレーン大幅刷新が発表された。具体的には、従来はシリーズの主役とされた5LのV型8気筒自然吸気エンジンを、メカニカル スーパーチャージャー付きの新開発3LのV型6気筒エンジンへと置き換えた。
それと同時に、ターボチャージャー付きの2L付きの2L 直列4気筒も設定し、いずれもZF社製の8速ATとの組み合わせで搭載される。しかし、XJといえばメルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズなどとの競合モデルとして知られる、世界屈指の大型高級サルーンだ。
「3LのV6ならばまだしも、2Lの直4エンジンでは、いかにターボ付きとはいえ物足りなくならないのか?」と思うのは、当然の事柄だろう。「V8エンジンを誇りとしてきたモデルが一気に直4エンジンンへとレスシリンダー化したら、長年の評判を汚したりすることにならないのか?」という心配まで頭を持ち上げてしまう。