欧州においてはBEVの商品力強化を図る
あらゆる国や地域のさまざまなユーザーニーズに応えうる電動車の選択肢を用意する「マルチパスウェイ」の取り組みのもと、多様なモビリティを展開するトヨタ。欧州は他地域に比べ電動車保有率が高く、BEVの保有率も高水準にあることから、さらなるBEVの商品力強化が必要となる。
そこで2024年末に発表したアーバンクルーザーと合わせ、欧州市場で主要となる小型から中型サイズのSUVをカバーできるラインアップとして、トヨタ C-HR＋、トヨタ bZ4X、レクサス RZと、3つの新型車を発表した。レクサスRZの新型については、当Webモーターマガジンでも別記事で紹介しているので、ここではC-HR＋とbZ4Xについて紹介していこう。
C-HRに新規導入されたBEV「C-HR＋」
コンパクトSUVのC-HRに新たに設定されたBEV、C-HR＋。
現在は欧州専用モデルとなったコンパクトSUV、C-HRにBEVの「C-HR＋」を新規導入する。そのスタイリングは滑らかで目を引くもので、それでいながら広々とした室内空間や大容量416Lの荷室といった実用性を両立している。プラットフォームにはe-TNGAを採用し、専用に調整されたサスペンションによって真に満足感のあるドライブ体験を提供する。
パワートレーンでは、電池セルに改良を加えた2つのリチウムイオンバッテリーを設定。ベースとなるバッテリー容量57.7kWh仕様は航続距離455km（開発目標値、以下同じ）を、より航続距離を延ばしたバッテリー容量77.0kWh仕様は航続距離600kmを確保。駆動方式はFFと4WDを設定し、ユーザーに幅広い選択肢を提供する。
トヨタ C-HR＋ 欧州仕様 主要諸元（開発目標値）
●全長×全幅×全高：4520×1870×1595mm
●ホイールベース：2750mm
●システム最大出力：123kW（FF：57.7kWh仕様）／165kW（FF：77.0kWh仕様）／252kW（4WD）
●航続距離：455km（FF：57.7kWh仕様）／600km（FF：77.0kWh仕様）／525km（4WD）
●0→100km／h加速：8.6秒（FF：57.7kWh仕様）／7.4秒（FF：77.0kWh仕様）／5.2秒（4WD）
●バッテリー総電力量：57.7kWh（FF）／77.0kWh（FF／4WD）
走りを進化させた、新型bZ4X
新型bZ4XもC-HR＋と同様、2種のバッテリーを設定した。
トヨタがスバル（ソルテラ）と共同開発したBEV、bZ4Xの新型もC-HR＋と同様、2つのリチウムイオンバッテリーを設定した。ベースとなるバッテリー容量57.7kWh仕様と航続距離向上を目指したバッテリー容量73.1kWh仕様をラインアップして、多様なユーザーのニーズに応える選択肢を拡大した。eAxleの高効率化もあり、73.1kWh仕様の航続距離は従来型比約70km（WLTPモード：社内測定値）延伸を追求した。
また、急速充電の前にバッテリー本体の温度を調整するバッテリープレコンディショニング機能をトヨタ車で初搭載。バッテリーを充電に最適な温度とし、冷間時（−10℃）の急速充電時間は約30分を目標に開発した。さらに、eアクスルの出力アップやサスペンションのセッティング見直しなどにより、走りも進化させた。静粛性も含めて、乗り味もレベルアップしている。
トヨタ bZ4X 欧州仕様 主要諸元（開発目標値）
●全長×全幅×全高：4690×1860×1650mm
●ホイールベース：2850mm
●システム最大出力：123kW（FF：57.7kWh仕様）／165kW（FF：73.1kWh仕様）／252kW（4WD）
●航続距離：445km（FF：57.7kWh仕様）／573km（FF：73.1kWh仕様）／520km（4WD）
●0→100km／h加速：8.6秒（FF：57.7kWh仕様）／7.4秒（FF：77.0kWh仕様）／5.1秒（4WD）
●バッテリー総電力量：57.7kWh（FF）／73.1kWh（FF／4WD）
前述のように、いずれも欧州では2025年後半から発売を予定している。なお、bZ4Xの日本仕様や、C-HR＋の日本導入に関しては、現段階ではアナウンスされていない。
