BEVユーザーの宿命、充電について考える
BEVに乗っていると避けられないのが充電である。“避けられない”と書くと充電にネガティブな印象を持つかもしれないが、“楽しみがある”と書くとどうだろう。充電への印象ががらりと変わるだろう。ちなみに私は後者の“楽しむ派”。しかし多くのBEV未経験者は、充電に不安を持つ前者なのかもしれない。
BEVの充電は、ICEがガソリンスタンドで給油するのと同じなのだが、電気かガソリンか以上に大きく違うのが充電/給油時間。これをどう考えるか、どう使うかでBEVへの印象が変わってくる。
その点、アウディは、ポルシェ、フォルクスワーゲンとともにPCA(プレミアム チャージングアライアンス)を組んでいるので最大出力150kWのDC(急速充電)スタンドが使える。
アウディは「ウルトラチャージャー」、ポルシェは「ターボチャージャー」と呼ぶこの急速充電器は現在、ABB製かパワーエックス製の150kW出力の急速充電スタンドが設置されているので、充電も快適で低出力に悩まされることはない。長期テスト車のQ8 eトロンは、ほぼそんなPCAのスタンドで充電している。

PCA(プレミアムチャージングアライアンス)のメリットを使いポルシェの「ターボチャージャー」で充電。150kW対応で早く、かなり快適。
充電に立ち寄ることで巡りあえる貴重な体験も
またQ8 eトロンのMMIには、アウディ正規ディーラーを検索できるボタンがあり、それを押すと歴や現在地から近い順にリストアップしてくれる。この機能は、遠方に出かけているときに充電スタンドを探すのにとても便利である。
近くにアウディ正規ディーラーが見つからないときには、他の充電スタンドを検索するが、それはいまのところまったく出番がない。つまり、少し遠回りしてでも正規ディーラーにお邪魔してしまうというわけだ。
8月に取材でモビリティリゾートもてぎ(栃木県)に行ったときのことだが、充電は宿泊したホテルの近くにあるアウディ水戸で行った。充電中は店内のトイレを借りてひと休み、さらに店長ともお話しさせていただいた。
心地いいソファに座りとろける白桃ソーダのスペシャルドリンクもいただき、実に充実したひと時を過ごしていると、いつの間にか充電が終了していたのだ。BEVの充電は、こうした楽しみがあるのだ

MMIのアウディアイコンを押すと正規ディーラーが検索され、履歴、距離の順に表示する。ウルトラチャージャーを探すのに便利。