昨今のハイパフォーマンススポーツモデルは、涼しい顔をしながら開いた口が塞がらないほどの高性能をたやすく実現させる。その本領を公道ではなく、サーキットでより安心してフルに発揮させるべく特別な仕様を備えたのがこの「PRO」である。(文:島下泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本 Motor Magazine 2025年1月号より)

持てるポテンシャルをフルに生かすための進化形

ブレーキングもこれまた圧巻なのだ。制動力が申し分ないというだけでなく、ペダルタッチに優れ、4輪が地面に吸い付くような姿勢で速度を一気に落としていく。約2トンの車重が、にわかに信じられなくなる減速感は心強い。

画像: 持てるポテンシャルをフルに生かすための進化形

動力性能は、実はGT63 4マティック+と大きくは違わない。おそらくエンジンパワーの向上を、増大したダウンフォースが相殺してしまうのだろう。3.2秒という0→100km/h加速タイムは、実は両車等しい。

しかしながら走りの安定感で見れば、GT63 PRO 4マティック+に分があるのは明らか。同じ3.2秒でも、おそらく緊張の度合いは大きく違ってくるはずだ。

つまり動力性能を高めるのではなく、持てる動力性能をいかに引き出しやすくするかという進化を果たして、レーストラックでより容易に高いパフォーマンスを引き出せるモデルに仕立てられたのが、GT63 PRO 4マティック+である。日本導入はまだ未定とのことだが、興味ありという方々、少なくないのでは?

【メルセデス・ベンツ AMG GT 63 PRO 4MATIC+ 主要諸元】

●種類:V8DOHCツインターボ 総排気量:3982cc ボア×ストローク:83.0×92.0mm 最高出力:450kW(612ps)/5500-6500rpm 最大トルク:850Nm/2350-5000rpm 燃料・タンク容量:プレミアム・−L WLTPモード燃費:7.1km/L CO2排出量:319g/km ●Dimension&Weight 全長×全幅×全高:4730×1985×1355mm ホイールベース:2700mm トレッド前/後:1680/1685mm ●Chassis 駆動方式:4WD トランスミッション:9速AT ステアリング形式:ラック&ピニオン サスペンション形式 前:マルチリンク・後:マルチリンク ブレーキ 前/後:Vディスク/Vディスク タイヤサイズ 前:295/30R21・後:305/30R21 ●Performance 0→100km/h加速:3.2sec. 最高速:317km/h(リミッター)

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