昨今のハイパフォーマンススポーツモデルは、涼しい顔をしながら開いた口が塞がらないほどの高性能をたやすく実現させる。その本領を公道ではなく、サーキットでより安心してフルに発揮させるべく特別な仕様を備えたのがこの「PRO」である。(文:島下泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本 Motor Magazine 2025年1月号より)

すべてがパワーアップしつつも、硬派一辺倒にあらず。

2+2のシートレイアウト、フルタイム4WDなど大胆に生まれ変わったメルセデスAMG GTのラインナップに、新たにメルセデスAMG GT63 PRO 4マティック+が加わった。コンセプトは「レーストラックでの一層の敏捷性を求めたモデル」である。

画像: すべてがパワーアップしつつも、硬派一辺倒にあらず。

外観上の変更点としては、まずフロントバンパーが挙げられる。両サイドの開口部の拡大は、ホイールアーチ内、ブレーキの冷却、そしてダウンフォース向上につながるものだという。

同時に、テールエンドには固定式のウイングが装着された。インテリアは、専用のステアリングホイールやサポート性を高めたシートを採用する。+2のリアシートは、このモデルでも選択可能。つまり先代のGT Rのような硬派なモデルではないということだ。

V型8気筒4LツインターボエンジンはGT63 4マティックに対して最高出力がプラス27psの612psに、最大トルクが50Nmのアドオンで850Nmに、それぞれ増強されている。そのアウトプットは、4輪に伝達される。

シャシの構成にも大きな変化はないが、鍛造21インチホイールに組み合わされるタイヤのミシュランパイロットスポーツ5、もしくは無償オプションのカップ2Rに合わせてチューニングが見直されている。またフロントに420mm径の大径ローターと6ピストンキャリパーを組み合わせるコンポジットブレーキも標準となる。

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