そこかしこに漂う「GT4」の凄みと色気を詳細解説
特別仕様車「GRスープラ “A90 Final Edition”」は、エンジン型式こそスタンダードモデルに共通するものの、レゾネーターの廃止やインテークパイプの経路最適化などの吸気系改善を実施。同時に低背圧触媒を採用することで圧力損失を低減しながら、アクラボヴィッチ製チタンマフラーを装備、サウンドも含めて排気系をチューニングしている。

TOYOTA GAZOO Racing Europeの持つモータースポーツ参戦を通じて得た知見をもとに、風洞実験施設を用いてテストを重ねることで究極の空力性能が磨かれた。

カーボンリヤウイングはスワンネックタイプ。接地性とハンドリング性能の進化はまさに異次元だ。

スタンダードモデルとスープラ“A90 Final Edition”の出力曲線を比較。回転が上がるにつれて、テイストの差が広がっていくようだ。
さらにエンジン制御を最適化することで最高出力をプラス48psの435PS、最大トルクを+70Nmの570Nmへ向上させるなど、加速性能とレスポンスが向上している。ラジエーター冷却ファンの強化、サブラジエーター追加など、冷却性能を高めていることもまた、持てるポテンシャルをフルに引き出すための必然だったのだろう。組み合わされるトランスミッションは、6速MTのみとなる。
実際にレーシングモデル(GR スープラGT4)の開発を担当しているTOYOTA GAZOO Racing Europeによって空力性能が磨かれた、エクステリアのインパクトも強烈だ。フロントスポイラー、フロントカナード、スワンネック型リヤウイングはカーボン製、フロントセンターフラップとあいまって前後の空力バランス、ダウンフォース、ドラッグを最適化することで、接地性とハンドリング性能を向上している。
ボンネット上に追加されたカーボンボンネットダクトは、わかりやすく「只者ではない」感を主張する。脱着式のインナーダクトを採用することで、取り外し時には冷却性能向上まで可能にした。
インテリアで目を惹くのは、レカロ製カーボンフルバケットシート「RECARO Podium CF」の採用だろう。ドライバーオリエンテッドなコクピット感を強調するために、ドライバーズシートは赤色とされている。各部に配されたアルカンターラ素材や専用カーボンスカッフプレートなど、台数限定であることの「特別感」にもこだわった設えだ。

「RECARO Podium CF」のインパクトが強烈。あらゆるGに対してしっかりと体をホールドし、正確なドライビングをサポートしてくれる。