1974年のデビュー以来、最新型は8.5世代目となっている世界的ベストセラー車・VWゴルフ。初代モデルは1975年3月から日本への導入が開始され、今年で50周年を迎える。ここでは、その半世紀の足跡を辿った「VW ゴルフ クロニクル vol.1」(2025年2月25日発売)から、モーターマガジン誌で初めて日本での試乗取材を行った、1975年5月号のゴルフ1試乗記事より、冒頭部分の抜粋をダイジェストでお届けしよう。

ヨーロッパ車のペース・セッター

画像: ホイールベースは2400mmでカブト虫と変わらないが、全長は280mm短縮されたコンパクトなボディシェルを持つ。

ホイールベースは2400mmでカブト虫と変わらないが、全長は280mm短縮されたコンパクトなボディシェルを持つ。

ゴルフは、写真で見てもわかるように「コンパクト」さが特色である。駐車場に停めるとひどく小さく見える。だが、サイズとしては全長で3.73m、幅が1.61mと、長さでは日本の大衆車の標準である4mを大きく割り、そのかわり車幅ではコロナ、ブルUクラスの1.6mをこえる。

この変わったプロポーションが車を小さく見せるが、第一印象で感じるシビック1500よりも一回り大きい車である。ゴルフの車高は1410mmもあり、シビックの1325mmより8.5cmだけ高い。この高さがそのまま室内に利用されたとしたら、そこに信じられないほどの空間が得られるのである。

画像: 広い室内スペースはゴルフの魅力の一つだ。全高の高さから、着座時の頭上部分に余裕が生まれることが理解できる

広い室内スペースはゴルフの魅力の一つだ。全高の高さから、着座時の頭上部分に余裕が生まれることが理解できる

何も使わないけれどこの頭上の空間は室内の余裕を増す。室内に入るとこのコンパクトな車からは想像もできない余裕を感じるのである。市街地で要望されている占有スペースの小さな車にはこの室内空間が大切だと改めて感じた。

もうひとつ、ゴルフのよいところは、車幅が広いということ。これは室内幅にしても132cmあり2人用のセパレート・シートにはかなりぜいたくな空間といえる。ステアリングの端からでも80cmが残る。これはお互いに小さな車に乗っている感じを抱かせない。

アウディ80と同じパワー

画像: ゴルフに乗ってすぐに感じることは、今までのVW車よりハンドルが重い点。だが、少し走り出すと、このハンドルの重さは全然感じなくなるとともに、正確な切れ込みに好感が持てるようになる。

ゴルフに乗ってすぐに感じることは、今までのVW車よりハンドルが重い点。だが、少し走り出すと、このハンドルの重さは全然感じなくなるとともに、正確な切れ込みに好感が持てるようになる。

VWで計画したゴルフは1100ccの経済車で、ヨーロッパでは、現実にこのモデルがエコノミー・カーとして売られている。しかし、日本に輸入されるゴルフは、排気規制の関係で、すでにアウディ80、パサートLS、シロッコに積まれているFH型エンジンがつく。このエンジンは4気筒、水冷SOHCの1470cc。出力は70PS/5800rpm、11.4kgm/3000rpmだが、無鉛レギュラーでOKというもの。

印象としてはわずか70馬力だが、実際にはこの車はアウディ80いらい、より大きな車を軽快に走らせるほどの実力を秘めている。この事実を知っていれば、わずか820kgしかないゴルフにとっては、すぎたパワー・ユニットである。したがって、日本仕様のゴルフLSは、現代の排気規制下でもスポーツ・セダンに相当するスーパー・ゴルフといえる。

画像: 高速の直進性は抜群で、ほとんど支える力はいらない。したがって、クルージング時のドライバー負担は少ない。

高速の直進性は抜群で、ほとんど支える力はいらない。したがって、クルージング時のドライバー負担は少ない。

実際に試乗しても、このエンジンは3速までにすごい加速性をみせる。すごいというのは、この車の外観からは想像しないほどのという意味で、混雑した首都高速などで自由自在に走れる。各ギアのマキシマムは45、78、115km/hまでのびるので、まずスポーティな走りにも不足感はない。(…続きはムックにて)

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