ピアストリが完勝、シーズン2勝目に一番乗り
前日の予選でポールポジションを獲得したピアストリが、スタートからフィニッシュまで他を寄せ付けなかった。

3位に入ったマクラーレンのランド・ノリス(左)と、優勝したオスカー・ピアストリ。ふたりのポイント差は3点、マクラーレンはコンストラクターズランキングを独走。
全周回首位こそスタートタイヤの選択が違ったフェラーリ勢の存在があって叶わなかったものの、首位を譲ったのはその1回目のタイヤ交換後の数周のみ。レースペースも圧倒的で、角田とカルロス・サインツ(ウイリアムズ)の接触で飛び散ったデブリを排除するため32周目に出たセーフティカー時までに2番手のラッセルに7秒、レース再開後も後続より1秒近く速いラップを刻み続け、今季2勝目のチェッカーに飛び込んだ。
レース後のピアストリは「素晴らしい週末だった。いい車を用意してくれたチームに感謝したい。バーレーンはチームオーナー(株主)の母国だから、マクラーレンにとって勝つことはすごく重要なんだ。セーフティカーはできれば出て欲しくなかったけど、ペースがあったからすんなりいけたよ」と会心の笑みだった。
フェルスタッペンは6位、角田裕毅は9位
セーフティカーが出たこと、そのタイミングでのタイヤ交換で各車の選択タイヤが分かれたことで2位争いは混沌。最終的には2番手グリッドからスタートしたラッセルと、スターティンググリッドの停止位置違反で5秒ペナルティを課されながら6番グリッドから順位を上げたノリスの戦いとなり、ラッセルがギリギリで逃げ切った。

移籍後初のポイントを獲得したレッドブルの角田裕毅。
無線ボタンを押すとDRSが誤作動するなどのトラブルを抱えていたラッセルは「最後はブレーキバイワイヤにも不具合が出て、ブレーキの効くタイミングが毎回違ったりしてキツかった」とホッとした表情。
一方のノリスはオーバーテイクの場面で何度かタイヤロックや接触寸前の場面があったこともあり、「今日はミスの多い、混乱したレースだった」と反省しきりだったが、ランキング2番手に浮上したチームメイトと3点差でポイントリーダーの座はなんとか守った。
レッドブルの角田裕毅はタイヤ交換時にピットシグナルの不具合でタイムロスがあったものの、グリッドポジションより上の9位、移籍後初得点となる2ポイントを獲得した。日本GPを制したマックス・フェルスタッペンも6位に終わるなど、このレース、不振気味だったレッドブルのマシンで粘りのレースを見せた。

バーレーンGPのタイヤ戦略。3種類のコンパウンドがすべて使用され、バトルとオーバーテイクが目白押しの見応えのあるレースとなった。
次戦第5戦サウジアラビアGPは連戦で行われ、4月18日にジェッダのジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開幕、決勝は4月20日に開催される。(文:新村いつき)