2025年5月15日〜18日(現地時間)、WRC第5戦ラリー・ポルトガルがポルト近郊のマトシニョスを起点としたグラベル(未舗装)路で開催され、トヨタのセバスチャン・オジェが優勝、2位はヒョンデのオィット・タナック、3位にはトヨタのカッレ・ロバンペラが入った。勝田貴元は5位でフィニッシュした。

トヨタが開幕5連勝も1-2フィニッシュならず

しかし、続くSS17でこのラリーの勝敗を決定づけるドラマが起きる。中間スプリットまでベストタイムを刻んでいたタナックのヒョンデ i20Nにまさかのパワーステアリングトラブルが発生。大きくタイムロスを喫し、首位から3番手まで陥落してしまったのだ。

画像: WRC第5戦ラリー・ポルトガルで今季2勝目をあげたトヨタのセバスチャン・オジェ。ラリー・ポルトガルで7度目の優勝となった。

WRC第5戦ラリー・ポルトガルで今季2勝目をあげたトヨタのセバスチャン・オジェ。ラリー・ポルトガルで7度目の優勝となった。

労せずして首位に立ったオジェは大量リードを活かして、その後は慎重にペースコントロール。最終日も無難に走り切って史上最多となるラリー・ポルトガル7勝目を達成。トヨタは開幕5連勝となった。

3番手まで落ちたタナックは最終日にベストタイムを連発し、ロバンペラを逆転して2位でフィニッシュ。同時に日曜日単独順位のスーパーサンデーで1位、パワーステージでの1位となり、“被害”を最小限に抑えることには成功した。

金曜日を3番手で終えていた勝田は、土曜日もペースが上がらず5番手まで後退し、そのままの順位でフィニッシュした。金曜日を先頭スタートで迎えた選手権リーダーのエバンスはグリップ不足でまったくペースが上がらず、6位に終わっている。

この結果、わずか9点しか獲得できなかったエバンスとランキング2番手のロバンペラとのポイント差が30点に縮小。マニュファクチャラーズ選手権ではトヨタがヒョンデとの差を55点に広げている。

次戦第6戦ラリー・イタリア・サルディーニャは、6月5日から8日、サルディーニャ島北部のオリビアを起点として開催される。気温がかなり上昇することが多いため、タフなラリーになることが予想される。(文:新村いつき)

2025年 WRC第5戦ラリー・ポルトガル 結果

1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h48m35.9s
2位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1)+8.7s
3位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1))+12.2s
4位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー1)+38.5s
5位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m41.9s
6位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m31.0s
7位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1) +2m38.3s
8位:J.マカリアン(フォード プーマ ラリー1)+5m12.3s
9位:G.ミュンステール(フォード プーマ ラリー1) +5m57.5s
10位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー2) +9m15.1s

2025年 WRCドライバーズランキング(第5戦終了時)

1位 E.エバンス(トヨタ)118
2位 K.ロバンペラ(トヨタ)88
3位 S.オジェ(トヨタ)86
4位 O.タナック(ヒョンデ)84
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)78
6位勝田貴元(トヨタ )51
7位 A.フルモー(ヒョンデ)44

2025年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第5戦終了時)

1位 トヨタ 258
2位 ヒョンデ 203
3位 Mスポーツ・フォード 72

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