「カスタム」は設定せず、ワンコンセプト/ワンシルエット

発表会場に展示された、ムーヴ X(ボディカラーは、新開発のグレースブラウンクリスタルマイカ)。
ムーヴはダイハツのハイトワゴンだ。初代は1995年に登場したダイハツの基幹車種で、初代からの累計販売台数は340万台(2025年3月末時点、ムーヴとムーヴカスタムのみ)を超える。今回の新型は7代目にあたり、先代の6代目が生産を終了した2023年に発表予定だったが、ダイハツの一部車種で認証手続きの不正が発覚し、再発防止策の実施が済むまでフルモデルチェンジの発表が無期限延期されていた。
新型ムーヴの最大の特徴は、リアサイドドアにスライドドアを採用したこと。いまや軽乗用車のスライドドア比率は約6割に達したことから、ムーヴでもスタイリッシュなデザインにスライドドアも採用し、全方位で軽ハイトワゴンとしての魅力を進化させたというわけだ。
デザインコンセプトは「ムーヴらしい“動く姿が美しい”端正で凜々しいデザイン」とし、合理性とこだわりのメリハリをもって、良いものを見極める人たちに選んでもらえるよう、機能とスタイルを両立させた質感高いデザインを徹底的に追求した。

ムーヴ X(ボディカラーは、スカイブルーメタリック)
エクステリアでは、フロントからリアに吹き抜けるキャラクターラインやウインドーグラフィック、動きのある表情を持たせたフェンダーやリアピラー、グリルとヘッドランプをシームレスにコンビネーションさせたフロントまわりなどが特徴的。また初代から受け継がれてきた縦型テールランプも採用している。
なお、新型ムーヴにはいわゆる「カスタム」は設定されておらず、ダイハツ曰く「ワンコンセプト/ワンシルエット」のボディタイプとなっている。
インテリアでは、軽自動車らしくインターフェースをシンプルにまとめ、オーディオの位置を低く設定することで走行視界を広く確保したインパネにより、安心して運転できるすっきりとした見晴らしの良さを追求している。前後乗員間距離は1055mmを確保し、後席は左右分割ロングスライドも備え、豊富なシートアレンジが可能だ。
ムーヴで初採用のスライドドアは、事前にドアロック予約できる「タッチ&ゴー」、自動オープンを予約できる「ウエルカムオープン」、半ドアから自動で全閉する「スライドドアイージークローザー」を備えたパワースライドドアを、ほとんどのグレードで標準装備している。

ムーヴ RSのインパネまわり。