先代とは似て非なる革新性を持つアルシオーネSVX

ウエッジシェイプのよく分かるアルシオーネSVXのリアビュー。全体的にエレガントな造形だ。
1991年9月、アルシオーネのフルモデルチェンジで、アルシオーネSVXが登場した。このクルマは1989年の第28回東京モーターショーでコンセプトカー「SVX」として初披露され、ルーフ以外のキャビンをガラスで覆ったグラスキャノピーや、徹底したフラッシュサーフェス化が話題となった。それが現実に形になったということでインパクトは大きい。エクステリアの解説の前に、主な特徴をひとととおり解説しておこう。
このときの目玉のひとつがそのパワーユニットにあったことは間違いない。搭載されたのは新開発の3.3L水平対向6気筒24バルブエンジン。低振動、低重心、軽量・コンパクトを特徴とし、低速から高速まで自然吸気エンジンならではのリニアなレスポンスと豊かなトルクを発生する。

先代のリトラクタブルランプから、フォグランプ一体式のヘッドランプになったのは大きな変更点だ。
駆動方式は当然4WDで、バリアブル・トルク・ディストリビューション(VTD:不等&可変駆動トルク配分式)フルタイム4WDとなっている。基本の駆動トルク配分をプラネタリーギヤを使用したセンターデフで前輪:35、後輪:65とし、走行中、路面状況に合わせて前後輪駆動のトルク配分電子制御式油圧多板式LSDコントロールすると説明している。
シャシは4輪独立のストラット式を採用。さらには車速、ステアリングの操作角・操作速度などに基づき後輪転舵角・転舵速度をきめ細かく制御する4WSをバージョンLグレードに採用した。

LEDハイマウントストップランプを内蔵したリアビュー。空力処理のためにエアロテールデッキを設定した。
エクステリアは、先代までのウエッジシェイプから大胆なエクステリアの変更を果たしたのがなんといっても話題となった。イタリアのカーデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロの提案を基本にした独創的で存在感のあるクーペスタイリングに生まれ変わったのだ。