「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW 3シリーズ(6代目)だ。

BMW 3シリーズ(2012年:6代目フルモデルチェンジ)

画像: 手前右から、アクティブハイブリッド3、320i セダン、320d ブルーパフォーマンス ツーリング。

手前右から、アクティブハイブリッド3、320i セダン、320d ブルーパフォーマンス ツーリング。

一見あんまり変わっていないようには見える。けれど中身は大違い・・・。先進のハイブリッドとディーゼルターボ、そして直4ユニットまでラインナップして、堂々のフルモデルチェンジを果たしたBMW 3シリーズ。世界中のライバルたちが目標とするその高性能ぶりを一挙に試しつつ、ベスト of ベストな“3”を選んでみたい。

さて、BMWの本質的な魅力は「駆け抜ける歓び」・・・それはエンジンに象徴されるのではないだろうか。もともとBMWには、1車種の中にエンジンのバリエーションが豊富に用意されており、各エンジンの進化のスピードが非常に速いという印象がある。今回の新型3シリーズについても現状、2とおりのスペックを設定した直噴ガソリンターボと、クリーンディーゼル、そしてハイブリッドという3タイプ、4種類のパワーユニットが用意されている。

まずガソリンエンジンは、328iと320iとでは最高出力に45kW(61ps)の差がある。乗り比べてみると、普通に乗るぶんには、むしろ320iのほうが低回転域のピックアップに優れるので扱いやすく感じる。しかし上まで回すと、やはり328iのほうが伸びやかな加速が得られて気持ちいい。

ただし、往年のBMWのあのシルキーな吹け上がりを知っていると、ちょっと回り方がガサツなところが惜しまれる。力感は十分だが、フィーリング面がもう少し洗練されることに期待したい。

画像: ◎320i セダン●全長4625×全幅1800×全高1440mm●ホイールベース:2810mm●車両重量:1500kg●エンジン:直4 DOHCターボ・1997cc●最高出力:135kW(184ps)●最大トルク:270Nm(27.5kgm)●JC08モード燃費:16.6km/L●トランスミッション:8AT●タイヤ:205/60R16●車両価格(税込):450万円

◎320i セダン●全長4625×全幅1800×全高1440mm●ホイールベース:2810mm●車両重量:1500kg●エンジン:直4 DOHCターボ・1997cc●最高出力:135kW(184ps)●最大トルク:270Nm(27.5kgm)●JC08モード燃費:16.6km/L●トランスミッション:8AT●タイヤ:205/60R16●車両価格(税込):450万円

その点ではディーゼルがなかなかよくできていて、振動や騒音も前述のガソリンと大差ないほど小さい。太い低速トルクなどディーゼルらしさを持ちながら、けっこう上まで回るし、アクセルをオフにしたときの回転落ちもさほど鈍くないなど、ディーゼルの弱点をあまり感じさせないところは好感が持てる。

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