1930年製のグランドツアラーをオマージュしたコンセプトカー

EXP15(左)と、1930年製のベントレー「スピード6 ガーニー ナッティング スポーツマンクーペ」。
EXP15のスタイリングは、20世紀初頭のグランドツアラーにインスパイアされ、それを21世紀にふさわしい形で再解釈した。全長5mの外装モデルは、直立した象徴的なグリル、ロングノーズのボンネット、後方に配置されたキャビンというクラシックなプロポーションを採用している。これは、1930年製のベントレー「スピード6 ガーニー ナッティング スポーツマンクーペ」へのオマージュだという。
現代的なエクステリアサーフェス処理、先進的なライティングディテール、アクティブエアロパーツなどを組み合わせることで、2025年におけるベントレーのコンセプトカーとして、過去と未来のクラフツマンシップの美学を巧みに融合させている。販売を目的としたモデルではないが、このEXP15は、ブランド初となる完全電動自動車へと向かうデザインの進化を示す重要なステップとなる。
フロントには、車両側面に向かって配されたスリムな4本のストリップライトが組み込まれ、上部2本は垂直に、下部2本は内側に向かって曲げられ、ホイールアーチの内側に沿って配置されることで、車体の輪郭をシャープに際立たせる効果を発揮する。これらのライトは、大型フロントグリルの輪郭を縁取る役割も担っており、ウイングドBエンブレムのすぐ下から垂直に伸びる中央のライトスパインがグリルを縦に2分割。そこには、ベントレーを象徴するダイヤモンドキルティングのモチーフが横方向に再構成され、LEDライトによって現代的かつ立体的に浮かび上がるようデザインされている。

全長5mというサイズ以外のスペックは発表されていない。
車両の両サイドでは、フロントホイールアーチ直後に設けられた2つの大型通気口が空気の流れを整え、車体のボリューム感を視覚的に分割。空力性能だけでなく、グラフィカルなアクセントとしての効果も備えている。
リアセクションでは、細く引き締められたライトが、広くクリーンなプレスティージャス シールド面を縁取るように配置され、空力的な効果を発揮すると同時に、ダイヤモンドパターンの緻密な立体表現と奥行き感を演出している。さらに、空力性能を高める要素として、ルーフ後端から展開する2つのアクティブ スポイラーと、車体下部のアクティブ エアロディフューザーも備えており、走行状況に応じて自動的に最適な空気の流れを制御する。