ホンダ N-ONE(2012年:ニューモデル)

フロントバンパーはフォグランプ内蔵、サイドとリアにはクロームメッキ モールなど、プレミアムは専用エクステリアをまとう。
ホンダが「プレミアムな軽自動車」として送り出したN-ONEの車種ラインナップはけっこう複雑だ。今回チョイスしたのは、プレミアムツアラー Lパッケージ。これは、言うなれば「全部入り」。内外装が豪華で、エンジンはターボ、装備も充実、しかもパドルシフトやクルーズコントロールまで備えていた。
しかし実際に乗ってみると、「プレミアム」を感じさせるポイントはそう多くはない。シートにステッチが入っていたり、インパネやドアハンドルまわりに木目調パネルが張られたり、ステアリングホイールが本革巻きだったりと、要所要所に高級感はあるのだが、それぞれの存在感は意外に希薄。それに、基本となる各部のカタチはベースグレードのGと同じで、しかもそのGのプレーンな仕立てもけっこういい味を出している。
静粛性まで向上させるなど、中身にまで手を入れているのは評価できるが、内装に関してはもう少しわかりやすい高級感の演出が欲しい気がした。

バーガンディの内装色や木目調パネルで奇をてらわずシンプルさと上質さに留意してインテリアはまとめられている。
ちなみに外観では、Gグレードが左右のヘッドライト間をつなぐグリルバンドが太く、ツアラーになるとこれが細くなってHマークがメッシュグリルの上に置かれ、プレミアムでは加えてアッパー/ロアグリルをメッキモールが一周するようになる。それぞれ悪くないが、ルーツとなるN360のイメージを知っている人には、G系のプレーンな顔立ちがフレンドリーで、N360の雰囲気に最も近いと感じられるだろう。
機能性に関しては、十分に満足できる。操作系はレイアウトがよく扱いやすいし、シートの座り心地も上々。後席も左右の幅は軽ゆえさほど広くはないが、足下やヘッドクリアランスに余裕があってリラックスできる。さらにフィットと同じ座面跳ね上げ式リアシートも便利だ。4人乗りで問題ないなら、小型車からのダウンサイザーにも十分受け入れられる快適性や利便性を備えている。