デュアルコクピットを継承しつつ、ユーザー目線の改良も

インパネは運転席側と助手席側で左右対称のデザイン「デュアルコクピット」を採用。
ここからはインテリアをご紹介します。ドアを開けて目に付くのが左右対称にデザインされたインパネです。これは「デュアル・コクピット・レイアウト」というデザイン思想に基づくもので、ローマやプロサングエや12(ドーディチ)チリンドリといった最近登場したモデルにも用いられています。

水平基調のセンターコンソール上にはシフトセレクターとキーが収まるくぼみがある。(イエローのエンブレムはキー)。
一方で、ローマではセンターコンソールが高く、ドライバーとパッセンジャーの空間を「セル」状にすることで意識的に分けていましたが、アマルフィではセンターコンソールが低くなり、さらに10.25インチのセンターディスプレイに位置もメーターパネルよりも下に移され、走行中に必要な情報は15.6インチのディスプレイメーターに表示されます。これにより、インパネまわりの雰囲気は12チリンドリのテイストに近くなりました。なお、シートの数はローマと同じく2+2、つまり4人乗りとなります。

ステアリングホイールに配置されているスイッチ類は物理ボタンとなり、操作性が向上した。
もうひとつインテリアで触れておきたい点が、ステアリングホイールの物理ボタンが復活したことです。実はこれ、アマルフィから大きく方向転換された注目点でもあります。左スポーク下に配置されているエンジンのスタートスイッチもアルミ製の物理ボタンとなりました(12チリンドリなどはタッチ式)。ちなみにこの変更は、ユーザーの声に基づいて採り入れられたとのことです。
エンジンはローマよりもパワーアップ。ADASも進化した

エンジンはローマにも搭載されていたF154系をブラッシュアップしたものを搭載。1Lあたり166psを発生。
次に気になる動力性能などについて解説していきます。エンジンは3.9L V8ツインターボで、ローマにも搭載されていた「F154」系エンジンの進化版を搭載しています。最高出力は640ps/7500rpmで、ローマよりも20ps引き上げられています。また2基のターボチャージャーの回転速度を別々に制御できるようにするとともに、ターボの最高回転数を17万1000rpmにまで高めることでレスポンスの向上にも成功しています。
また、従来よりも1.3kg軽量化されたカムシャフト、フラットプレーン式クランクシャフト、排気を個別に制御できるツインスクロール技術なども用いられ、途切れることなく続くリニアなパワー感や、中〜高速域でも思いのままの加速に必要なトルクを引き出されるようになっています。なおトランスミッションはSF90 ストラダーレから導入された8速DCTをベースに、パワーユニットの出力アップに合わせた最適化などが施され、滑らかかつ素早い変速が可能になっているとのことです。
さらに進化したADAS(運転支援システム)や、ブレーキ・バイ・ワイヤシステムを基礎ロジックにしたABS Evoの採用によるより高い制動性能と車両安定性の実現もなされているとのことです。

展示車にはオプションのアルミブレーキキャリパーを装備。フロントタイヤのサイズは245/35R20。