ハンガロリンクはタイトでトリッキーなレイアウトが特徴
ハンガリーGPの舞台となるハンガロリンクは、約4.4kmの短い全長に14のコーナーが待ち構える、タイトでトリッキーな難しいサーキット。直線と呼べる部分はグランドスタンド前の短いストレートしかなく、ドライバーは息つく暇もない。
マシン的には、低速コーナーが多いため、空力性能よりも高いメカニカルグリップ、パワーよりもドライバビリティが要求される。
また、夏の暑い時期に行われるため気温や路面温度が高く、しかもサーキット全体が円形劇場のような形状で熱がこもりやすく、しかも直線部分が短いためタイヤが冷える時間もなく、タイヤのオーバーヒートが課題となる。昨年は路面温度58.6度を記録、また丘陵地帯にあるため天候が不安定になりやすいのもやっかいだ。
ただ、今年大規模な改修工事が行われ、グリッドエリアとピットレーンは再舗装され、凹凸が最小限に抑えられ、安定したグリップを実現する路面へと変化している。
通常、ハンガロリンクは週末を通じてトラックの進化(路面のラバーが乗ることによるグリップ向上)が顕著で、特に金曜日の走行ではグレイニング(ささくれ状の摩耗)が見られることもあるが、今年はどうなのか、注目したい。
またオーバーテイクが容易ではないためスタート順位が非常に重要で、これまでの39回のレースのうち16回はポールシッターが優勝し、グリッド2列目より下からスタートしたドライバーが優勝したのは4回しかない。
決勝スタート順位が重要だが、退屈なレースになるということではなく、狭くトリッキーなコースレイアウトのため、ポジション争いが激しく、スタートで混乱もよく起きるし、スタートで首位を守れても逃げ切りは簡単ではない。

ハンガリーGPが開催されるハンガロリンク。今年大規模な改修工事が行われ、グリッドエリアとピットレーンは再舗装された。

ハンガロリンクのコース図。ストップ&ゴー・サーキットで、オーバーテイクが容易ではないが、トリッキーで、紛れの多いコース設定でもある。