2025年8月3日(現地時間)、F1第14戦ハンガリーGPが首都ブタペスト近郊のハンガロリンクで開催され、マクラーレンのランド・ノリスが優勝。2位にはチームメイトのオスカー・ピアストリが入り、マクラーレンは4戦連続の1-2フィニッシュを達成。3位にはメルセデスのジョージ・ラッセルが入った。レッドブル・ホンダRBPT勢は、8番グリッドスタートのマックス・フェルスタッペンがまったくペースが上がらず9位。ピットレーススタートを選択した角田裕毅も見せ場なく17位に沈んだ。

スタート失敗のノリスは1ストップ戦略に作戦変更

ポールポジションにシャルル・ルクレール(フェラーリ)がいるという、いつもとは違うグリッドでスタートしたハンガリーGP。

オーバーテイクが難しいハンガロリンクでの注目のスタートは、ルクレールとピアストリのフロントロウ2台が波乱なくそれぞれの順位をキープしたのに対し、3番グリッドのノリスは出足が悪く、ラッセルとフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にかわされて5番手に後退してしまう。3周目にはペース差の大きいアロンソを抜いて4番手には浮上したものの、上位3台に迫るには至らない。

ここでノリスと陣営が選択したのが1ストップ戦略だった。19周目にピアストリ、20周目にルクレールとラッセルがピットインしたのを尻目に、自身はステイアウトして首位走行、32周目までタイヤ交換を引っ張り、41周目にルクレール、45周目にラッセル、46周目にピアストリが2回目のタイヤ交換に入った時点で再び首位に立つ。

その後はよりタイヤ履歴の少ない2番手ルクレールと3番手ピアストリがどこまでノリスに迫れるかに注目が集まったが、2回目のタイヤ交換が早かったルクレールは徐々にペースを落とし、51周目にはピアストリの先行を許してしまった。

画像: ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がスタートを決めてレースをリード。マクラーレンのオスカー・ピアストリが2番手をキープする一方で、ランド・ノリスは5番手に後退。

ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がスタートを決めてレースをリード。マクラーレンのオスカー・ピアストリが2番手をキープする一方で、ランド・ノリスは5番手に後退。

優勝争いはまたしてもマクラーレン勢の一騎討ちに

これで優勝争いはまたしてもマクラーレン勢の一騎討ちとなった。ふたりのタイヤ履歴の差は14周。追い上げるピアストリは残り5周の段階でついにノリスの背後にくらいついた。しかし、今回のノリスは冷静だった。DRS圏内に入られても慌てず騒がずにピアストリの動きを読み、最後まで前に出さないまま70周のチェッカーへ。

シーズン5勝目を挙げてピアストリとのドライバーズ選手権でのポイント差を9点に縮めたノリスは「スタートで順位を落とした段階で、状況を打開するには1ストップしかなくなった。2位くらいにはなれるかなと思ったけど、こんなに上手くいくとは。最後はオスカーが攻めてきて疲れたよ(笑)」と会心の笑顔。

一方、惜しくも敗れたピアストリは、「ランドが1ストップを選択したことに驚きはなかったけど、結局、抜けなかった。可能な限り攻めて、チャンスを狙ったんだけどもう一歩詰められなかった」とこちらはやや落胆の表情だった。

画像: マクラーレン勢の一騎討ちとなった最後の優勝争い。ペースはノリスのほうが良かったが、オーバーテイクの難しいハンガロリンクで逆転はならなかった。

マクラーレン勢の一騎討ちとなった最後の優勝争い。ペースはノリスのほうが良かったが、オーバーテイクの難しいハンガロリンクで逆転はならなかった。

画像: ハンガリーGPのタイヤ戦略。マクラーレンのふたりが異なる戦略をとる興味深いレースとなったが、理論的には2ストップが速いとされる中、1ストップが勝利戦略となった。

ハンガリーGPのタイヤ戦略。マクラーレンのふたりが異なる戦略をとる興味深いレースとなったが、理論的には2ストップが速いとされる中、1ストップが勝利戦略となった。

次戦第15戦オランダGPは、サマーブレイクを挟んで、8月29日にオランダ・ハールレム近郊のザントフォールト・サーキットで開幕、決勝は8月31日に開催される。(文:新村いつき)

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