「メルセデスAMG」のBEV(電気自動車)コンセプトカー「コンセプトAMG GT XX」が、イタリアのナルド・テストトラックで8日間で世界一周に匹敵する4万075km走破の快挙を達成した。2025年8月(伊・現地時間)のことだ。ここでは、その快挙に貢献した「メルセデスAMG」の先進テクノロジーに注目してみることにする。

驚きのCd値0.19。記録貢献度大のARレーシングヘルメット

「高度な空力特性」は、なんといってもCd値0.19の達成だ。エアロミラーや延長されたディフューザー、リアスポイラーリップなどを緻密に調整することで実現できた驚きの数値だ。カーボンファイバー製のクラッディングが装着された20インチホイールの貢献も大きい。

画像: カーボンファイバー製のクラッディングが装着された20インチホイール。

カーボンファイバー製のクラッディングが装着された20インチホイール。

これにより車両周辺の空気の流れが改善され、完全に密閉されたホイールよりも空気抵抗が少なく操縦安定性が向上するという。装着されるタイヤは、ミシュランと共同開発の「 Pilot Sport 5 Energy」だ。

「充電パフォーマンスの向上」は、新開発のアルピトロニック充電ステーションと臨時のハイパワー充電ハブによる平均約850kWの充電の達成だ。ハブは合計2.5メガワットを超える3台の充電器に対応するように設計され、今回のチャレンジの大きな力となったという。

画像: 新開発のアルピトロニック充電ステーション。

新開発のアルピトロニック充電ステーション。

「インテリジェントソフトウェア」とは、F1の知見を使ったバッテリーマネジメントシステムを含むインテリジェントな動作戦略のことだ。といってもなんのことやらだが、平たくいうとバッテリーを常に最適なパフォーマンス範囲内に維持するためのソフトウェアを開発したということだ。

「先進ディスプレイコンセプト」は、ドライバーへのホスピタリティを徹底的に追求したディスプレイの採用だ。10.5インチと14インチのディスプレイを装備し、それぞれに現在の走行時間や前回の充電停止からの周回数、走行距離、車両のリアルタイムのコース位置、充電状態などが表示される。

「斬新なアイデア」は、車両と同じサンセットビームオレンジのAR(拡張現実機能)レーシングヘルメットの採用だ。車両とコースの情報がリアルタイムで視界化されるため、ドライバーはコースから視線を逸らすことなく走行を続けることができるのだ。重量は約2kgで、背面にはAMGエンブレムがあしらわれる。

そして3Dプリンターによるオーダーメードのフロントバケットシートも忘れてはいけない。ベンチレーション開口部と一体型ヘッドレストを備えたカーボンレーシングシェルがベースだ。

画像: ARレーシングヘルメットの視覚イメージ。

ARレーシングヘルメットの視覚イメージ。

ため息がつくほど、「メルセデスAMG」の先進テクノロジーがふんだんに注ぎ込まれた「コンセプトAMG GT XX」。これからもBEVの限界を超えるチャレンジが続けられるのだろう。8日間世界一周は、単なる通過点でしかないということだ。

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