ピアストリ完勝の一方でノリスにまさかのトラブル
サマーブレイク明けの一戦は、シーズン前半戦同様、マクラーレン同士の一騎討ちとなったが、終盤に思いも寄らないドラマが待っていた。

数々のアクシデントに見舞われ、波乱に満ちたレース展開となったが、ピアストリは危なげのない勝利をあげた。
フロントロウに並んだポールシッターのピアストリと2番グリッドのランド・ノリスだったが、スタートではソフトタイヤを選択した3番グリッドのフェスルタッペンが出足よくノリスをかわして2番手に浮上する。9周目にノリスはようやくフェルスタッペンをかわしてポジションを戻したが、すでにピアストリとの差は4.4秒あまり。ノリスはそこから最速タイムを連発してチームメイトを追うが、なかなか射程距離に入るまでには至らない。
チャンスが訪れたのは23周目にルイス・ハミルトン、さらには53周目にシャルル・ルクレールという2台のフェラーリのクラッシュで出たセーフティカーの時だった。しかしどちらの局面でもピアストリは再スタートを冷静にこなしてすぐにハイペースで逃げ、ノリスをDRS圏内に入れさせない。
そして両者1秒あまりの差で迎えた65周目、今シーズンのドライバーズ選手権の行方を左右しかねないアクシデントが起きる。ノリスのマクラーレンにオイル漏れが発生し、白煙を吐きながらコース上にストップしてしまったのだ。
レースは3度目となるセーフティカーが出て69周目に再開。またもピアストリは後続を寄せ付けず、そのまま7勝目のチェッカーに飛び込んだ。
「ランドの件は残念だったね。この週末の出足はあまり良くなかったんだけど、予選でなんとか修正できたのが良かった。何度もセーフティカーが出て簡単なレースじゃなかったけど、落ち着いてまとめられたと思う」とフィニッシュ後のピアストリはいつも通りの冷静なコメント。これでノリスとの選手権ポイント差は一気に34点にまで広がった。

ピアストリを追って2番手を走行していたノリスだったが、まさかのトラブルでリタイア。チームメイト同士で明暗が分かれる形となった。