こんなコンパクトカーのセレクトもありだろう

フェンダーからテールランプのラインやハッチゲートの形状など、リアスタイルも独特。ルーフエンドにはスポイラーも備える。
ツインエア エンジンは踏み込むと独特のサウンドを放ちながら力強く加速する。音や振動はそれなりに大きく、フィアット 500ならまだしも、高級コンパクトカーとしてはどうかなという気がしなくはないものの、それもこのクルマの「味」のうちと認識すれば良いだろう。
スタイリングは、他のどのクルマにも似ていない独特の雰囲気。5ドアなのだが、リアのドアハンドルがボディと一体化して隠されているので、一見すると3ドアのように見える。
インテリアデザインもユニークかつ上質。今回の試乗車は、日本には2グレードが導入されるうちの、上級の「プラチナ」グレード。本革シートが備わり、このクラスらしからぬ風格を備えている。広大なパノラミック サンルーフも選べる。
アップライトなシートポジションで乗りやすく、乗り心地もソフトにまとめられている。リアシートはけっして広くはないが、3人掛けとなっているのも特徴。ラゲッジスペースも意外と広く、テールゲートの開口面積も大きいので、実用性に優れることもお伝えしておこう。
ベーシックな「ゴールド」と試乗車の「プラチナ」の車両価格差は25万円だが、装備はけっこう違うので、買うなら圧倒的に「プラチナ」をオススメしておきたい。個性派ぞろいの内外コンパクトカーの中で、さらにひと味違ったクルマを求める人にとって、なかなか面白い選択肢が加わったといえそうだ。

撮影車は上級グレードの「プラチナ」なので、本革シートを標準装備。さすがは高級コンパクトカーを謳うだけのことはある。
クライスラー イプシロン プラチナ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3835×1675×1520mm
●ホイールベース:2390mm
●車両重量:1090kg
●エンジン:直2 SOHCターボ
●総排気量:875cc
●最高出力:63kW(85ps)/5500rpm
●最大トルク:145Nm(14.8kgm)/1900rpm
●トランスミッション:5速AMT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・40L
●JC08モード燃費:19.3km/L
●タイヤサイズ:195/45R16
●当時の車両価格(税込):260万円